4 「さん」だと? ページ4
「おはよう。こんなに早くから何をしている?」
事務所に一番に来たのは自分だと思っていたが、先客が居た。
ゆめだ。
「おはようございます。ポートマフィアについて調べてます。指名手配犯の芥川さんと梶井さん…、なかなか情報が集まらなくて困ります。」
椅子から立ち上がるゆめ。少しふらつき慌てて壁に手をついて居る様子を、俺は見逃さなかった。
朝日にも電気にも照らされているせいだろうか。いや、それにしても顔に血の気が無いように見える。顔色が良くない。
「はぁ?」
「私も、皆さんの役にたてたら嬉しいと思いまして。」
「気持ちは分かるが、お前は疲れているように見えるぞ。それに、お前は子供だ。俺よりも体力だって無いだろう。」
パソコンに何か入力しているゆめの手首を掴むと、俺は片手で手帳を開いた。
「俺の理想は社員がスケジュール通りに動き、テキパキと仕事をこなす事だ。だが、社員がまともに立てなくなるまで仕事をするのは、決して俺の理想では無いのだ。」
理想の塊である手帳を閉じると、ゆめの使用量していたパソコンの電源を切った。
「あっ……、」
「今は仕事のことは考えなくて良い。元気が出るまで医務室で休ませて貰うと良い。与謝野さんには俺が頼んでおくから、お前はそんな正装ではなく、楽な服に着替えておけ。」
思わず声を上げたゆめに、休むように云った。
「太宰のようにサボり過ぎるのも困るが、時には休息も必要だ。覚えておくと良い。」
「ごめんなさい…。」
素直にパソコンから離れるゆめを見ていると、辛いのに仕事をしていたことが分かった。俺はまた手帳を開
き、ゆっくり机を整頓し始めたゆめに声をかける。
「仕事も大切だが、お前には元気でいてもらうのが俺の
理想だ。それと俺は、指名手配犯に『さん』をつけて呼ぶ必要性は感じないぞ。お前の性格上、難しいかもしれんが」
※
今回は国木田さんでした☆
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るるる様。 x他1人 | 作成日時:2023年5月7日 11時