ディズニーのお話。［アトモスメイン］ (ページ2)

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それからはあっという間で。

次の日もなんだかぎこちなくて。

あまり会話も弾まないまま、1日が終わって行った。

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出航の日の朝。

私はいつまでもベットでうじうじしていた。

彼が行ってしまうなんて、信じたくなかった。

見送りなんか行きたくなかった。

見送りに行ってしまったら、彼が行ってしまうのを認めることになる。

そんなの嫌だった。

けれど、いつまでもベットに入れるわけなんてなく、

母に「いつまで寝ているの！」と怒られた。

のろのろと支度をして部屋を出る。

『はぁ………………』

溜息がこぼれる。

港へは行かず、家で過ごしていたら、あっという間に夕方になってしまった。

港から、鐘の音が聞こえた。

この港では、船が出航するときは鐘を鳴らす決まりだ。

もうすぐ出航するという時に一度。

出航直後に一度。

港になんか行かないつもりだったのに、

鐘の音を聞いたらいてもたってもいられなくなって、家を飛び出した。

見慣れたあの船を探した。

( どこ、どこにあるのっ？)

見つけられなかった。

港を走り回って探しても、見つけられなかった。

今まで海賊船が泊まっていたところには、大きな客船が泊まっていた。

( 嘘、嘘………………！

行ってしまった………………

結局、彼に何も言えなかった。)

立っていられなくなって、膝から崩れ落ちた。

涙が溢れ、嗚咽が止まらない。

『ソー………………

ホラウ、ソー………………』

「呼んだか？」

頭の上から降って来た愛しい声。

涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、上を向いた。

「よぉ、A」

『ソー………………？

ホラウソーっ！！！！』

しゃがみこんで私と目線を合わせてくれたホラウソーに飛びついた。

「ちょ、おい、おめー！

一体どうしたんだよ！」

『ソーが、もう行っちゃったと思ってっ！

わたし、わたしっ！

ソーのことがっ！』

「A………………」

彼が、今までに無く優しい声でわたしの名前を呼んで、

私をぎゅっと抱きしめた。