本の虫を喰らう【d!,em】 ページ5
em side
私が司書を勤める図書館には、蜘蛛のような女性が毎日通っている。蜘蛛のよう、といっても顔目立ちはとても整っている。ただ普通の人間体より腕が三対多く、おでこのあたりに目がまたいつも閉じられているものの三対多い。
昆虫と人間の混ざった特徴を持つ人類が存在するこの世界、そういう特徴を持つことは珍しい事ではない。むしろ私も背中にクジャクヤママユの羽を持っている。ほぼ使い物にならないので飛べはしませんが。
ですが彼女の腕と目は本物。いつも複数の本を持ち、別々の目で読んでいる。私だったら数分で脳が焼き切れそうな情報を処理し切っているあの美麗な顔の奥にある脳味噌を羨ましく思う。彼女の知識量に勝てるのはそうそう居ないだろう。
そんな事を考えていると何やらそわそわしている女性の利用客の方がいらっしゃった。…アゲハ蝶の羽だ。図書館に相応しくない少々派手な服装に濃ゆいメイク。
…最近図書館に通っているものの本も読まず借りずに去るよくわからないけれど好ましくない人物。
「エーミールさん！あの…」
em「はい、貸し出しですか？」
「いえ、違くて……その、わ、私、貴方の事が好きです！つ、付き合ってください！！」
em「…えーっと、現在業務中ですし、図書館ではお静かにお願い致します。ごめんなさい。」
大声でとんでもない事を言い放った彼女をやんわり断るとアゲハの彼女は「友達からとかでも」や「連絡先交換しませんか！」などと騒ぎ出す始末。大事にしたくないんだけどなぁ…と思いつつ警備員を呼ぶテレフォンに手を伸ばそうとした瞬間だった。
『あの、本を借りたいので退いてはくれませんか…』
「い、今は駄目よ！空気読んでちょうだい！！」
『司書さんも困っておいでです。それに…貴女の言動は業務妨害に値する可能性があります。司書さんに警備員を呼ばれて大事になりたくなければ身を引いた方が良いかと…』
困ったように眉を下げる彼女。申し訳無さそうな言葉に居た堪れなくなったアゲハの女は足早に図書館を去った。
『この本達を借りてもよろしいですか？』
em「はい、喜んで。……助かりました。」
『いえ…警備員を呼ばれた方が煩くなるかと思いまして。今日は親御さん方や子供達も多く居ますから。』
そう言って絵本コーナーの方を見る彼女の黒水晶のような瞳。そう言えば、彼女はよく休憩時間に絵本コーナーや窓から見える外の光景を眺めていた。
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その辺の夢女(プロフ) - 負李さん» ありがとうございます〜！！頑張ります！☺️ (11月14日 21時) (
レス) id: 35f25c090f (このIDを非表示/違反報告)
負李 - 警視監の話めちゃ好きです！これからも頑張ってください！！ (11月9日 0時) (レス) @page36 id: 61d8647db3 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の夢女(プロフ) - 霧狐さん» 間違えて見る専アカウントで返信してました〜！ごめんなさい！！コメントありがとうございます！ｽﾄｸﾞﾗは🌵🧣以外ゼロ知識ですのでお勉強しながら頑張ります！ (9月21日 7時) (レス) id: 35f25c090f (このIDを非表示/違反報告)
霧狐(プロフ) - ｽﾄｸﾞﾗのお話面白くて大好きです…欲を言えばもっと見たいぐらいです…✨無理をなさらない程度の投稿頻度でコレからも頑張っていただきたいです！と言うか頑張ってくださいませ☺️ (9月20日 17時) (レス) @page18 id: 926c02e91a (このIDを非表示/違反報告)
その辺の夢女(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さんコメントありがとうございます！警視監とgt &rdのお話は今のところあともう一本続くつもりです！後日いくつか他の短編を挟んだ後書くつもりなのでお楽しみに！！ (9月19日 20時) (レス) @page17 id: 35f25c090f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その辺の夢女 | 作成日時：2023年8月20日 0時
