父と息子とカニバリズム ページ47
gt「お義父さんも参加します？楽しいっすよ」
「うんにゃ、私と鳥野朗はまたまた任務があってねぇ…通り道に館があったから愛しの娘と息子に会いに来ただけさ。」
「マリちゃん楽しみなヨ。折角の余生だからな、ｶｯｶｯｶ。死んだ時は僕に言ってよ。喰っちゃるから。」
そう言った大鴉さんは次の瞬間床に沈んでいた。
お父様はレイピアの柄を持ち鞘にしまいぐちつぼさんは眼をギラつかせ拳をにぎったままだ。
「大鴉、マリを最初からなんか狙ってるとは思っていたけれど…食欲だとは…」
gt「………。」
「いって…ぇガチ殴りするな…脳が割れる…」
『大丈夫ですか？』
「マリぃそいつマリ食うって言ったのに心配しなくていいんだよ？」
大鴉さんは頭をさすりながら立ち上がる。大鴉さんはぐちつぼさんより身長がとても高い。2人共どうやって殴ったんだろう…
「再会の結びだよ知らないのぉ？2人共。おーいたた、死体食ったら来世で絶対会えるっつー一種の呪いみたいなもんよ。」
『…大鴉さん、私も来世で会いたいですけども、食べるのはやめてくださいね。』
「ｶｶ､うーんじゃあ約束だけしとこうか。また会おうね。」
私の肉球をにぎにぎと握った後、大鴉さんはゆらゆらと館から出て行った。
「ふん、あのノンデリばカラス………絶対後で締めとくから安心してねマリとぐちつぼくん。
………パパはずっとお前を愛しているからね、マリ。来世でも私とリリィの娘として産まれてきておくれ。約束だよ。」
『…はい、必ず。』
お父様は私を抱きしめた後、額と頬と鼻にキスを落としてからぐちつぼさんに耳打ちをし、館を後にした。
ゲームは一度、休憩時間を挟む事になった。
私はぐちつぼさんと館の個室に移動した
gt「…絶対に鴉には喰わせませんから。」
『あら…再会の結び、貴方が結んでくれるとは言わないのね。』
gt「…結んでいいなら、結びます。」
『あら本当？…それは嬉しいわ。』
gt「マリが望むなら、骨まで残さず食っちまうので。」
『…うふふ、お父様に一本だけ残しておいてね。』
gt「…ん。」
再会の結びは本来、肉食系の獣人が来世の再会を願って行う呪いの儀式だ。食葬ともいう。ぐちつぼさんはオオカミの獣人の血を引く為同種喰いは可能なのだ。
…私の血肉が大好きな彼のこの大きな口で全て残らず食べられるのは、さぞ素敵な事だろう…私が死んだ後行わねばならないなんて…
とても残念だ。
＿＿＿＿＿
「骨は一本でいいから、残しておいてくれよ、我が息子。」
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作者名：その辺の夢女 | 作成日時：2023年7月31日 14時
