深淵のナポリタン ページ30
No side
戦争開始直後、v国。北の研究所。
v「可笑しい…おかしいおかしい巫山戯るな！！！！
何故何も特別なモノが何処にも無いのだ…！」
v国首長、ヴェルコは狂気に叫んだ。データの数値は、一般の獣人猫科族の数値ばかりしか出ない。すると扉から研究員が1人、入ってきた。
「ヴェルコ様。少々お耳に入れたい事が。」
v「………ｯ一度休憩を挟む。貴様ら殺すなよ。」
ヴェルコは部屋を出た。
刹那、部屋の床からボコボコと何かが湧き出る。
j.ln「ちょっと待ちなよ」
ただちに残っていた研究員が連絡を取ろうとインカムに手を伸ばそうとしたその腕を黒い棘のある蔦で拘束する。そして針を持った蔦に刺された研究員はするりと深い眠りについた。
カラン、と赤く美しく燃える炎を吊り下げた南瓜頭のスーツを着た細身の男。床に腐食した黒い穴からは葉巻を持った鳥頭の男やフードに虚無を蓄えた男、パンダの頭に黄色の捻った布を巻いている男が次々と這い出てくる。
「ちょ、shu3出られへんからちょっと引っ張ってくれ」
「えぇ…何してるのすぎるさん。hacchiさんも手伝って」
「今葉巻持ってるから片手しか貸せないよ」
j.ln「ちょ、全然カッコつかないじゃん！！折角おめかししたのにさァ！！！俺のプロデュースで！！！！」
「これはすぎるさんが悪いよ」
「マリちゃん以外寝て見てへんからギリセーフや」
「マリちゃんにダサいとこ見られるのがアウトなんでしょ」
南瓜男の持つランタンの中の炎は優しく燃える。
j.ln「めちゃくちゃフォローしてくれるじゃんマリちゃん…」
「優しさが沁みて涙出そうや俺」
「よいしょ、うわ、軽い…マリさんの体、確保できたよ。」
j.ln「オッケーじゃあこの施設蔦塗れにしちゃ…お………」
コンクリートの壁に、浅黒い肌と青い目の顔だけぬっと出ている。彼？彼女？は、南瓜男としばらく見つめ合った後、壁の中にすぅ………と消えていった。
ランタンの炎がゆらりと揺れる。
j.ln「あ、味方なの？こば、こだちゃん？あ、そう…壁の中を移動できるなら外に繋がる壁一部だけ開けとこうかな。
じゃあ気を取り直して、蔦でいっぱいにしちゃうぞ〜
お前ら、敵を見つけ次第殲滅頼んだ」
「若い子達の方が戦うの得意なんじゃないの〜？」
「ええから行くぞ！」
深淵からのおじさん達は一気に研究所内をバタバタと走り回った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：その辺の夢女 | 作成日時：2023年7月31日 14時
