【gttb】赤猫の君Ⅱ【ｲ建康鯖】 (ページ29)

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開戦前の数時間（2）ページ29

rd side

rd「マリ。あと数時間で戦争が始まるから。電撃戦でv国サクッと滅ぼすからさ。お留守番、よろしくね。」

俺はマリの魂で燃えるランタンに話しかけると真っ赤に美しい炎は微かに揺れる。………やっぱり君の声が、姿が恋しい。でも、それはぐちつぼが1番思っているだろう。

奴ら限界組は、もう国境ギリギリの場所に少数精鋭のら民達と目をギラつかせながら共に潜んでいる。開戦の狼煙が上がり次第、足の速いぐちつぼとら民のみこだよ達が突っ込み掻き回し、もう既にv国の北の研究所の壁の中に溶け込んでいるこばこだと合流する…というのが1番上手くいった時の作戦だが、奴らの改造して生み出された化け物共は、こばこだによるとまだまだ種類も数も、うじゃうじゃと居るらしい。………マリの肉体のある研究所まで、最速で２日、遅くても４日で着いたら良い方だ。

マリの肉体を使って何を研究するのかなんて、見当もつかないけれど、彼女は他の生物…大穴から出てきたコンちゃんよりも何か特別な物があるのだろうか。魂が特別、ならわかるけど。肉体…世界につき一つしか与えられない魂の器。それだけのものに奴らが血眼で欲しがるほどの価値はあるのか…？長靴の猫も、さっぱりわからないようだった。

………そんな事どうだっていい。今はただ、俺達から炎のあるべき場所を奪った奴らから奪い返す事だけ考えればいい。今思えば、俺が化け物になったのは、彼女…あの日のあの猫に贖罪する為だったのかもしれないな。

rd「じゃあ、行ってくるね。」

俺は炎の揺らめく部屋を後にした。

俺が部屋の外に出た瞬間を見計らって彼女の魂の入っているランタンが黒い穴から這い出てきた手に盗られていたなんてことも知らずに。