不安定な存在 ページ27
「…ｷﾃ！ｵｷﾃ!マリ………！！」
………いつもより随分切羽詰まったみどりくんの声がする。どうしてだろう。頭が働かない。………感情が動かない。
それでもゆったり目を開き体を起こす。
md「マリ、君ﾊ死ﾝﾃﾞﾅｲ。ﾀﾞｶﾗﾕｯｸﾘ､自分ﾉ手ｦ見ﾃ。」
虚な心のまま、言われた通りに自分の手を見る。
………透けている。どうして？…あの時、襲撃されて、…それで？私は、…いつもの魂の分かれ道では自分の体は透けなかった。でも、何度見ても、自分の手は透けている。これって、まるで、私
md「大丈夫、死ﾝﾃﾞﾅｲ。魂ﾀﾞｹ肉体ｶﾗ分裂ｼﾀﾀﾞｹ｡
………深呼吸ｼﾃ。マリﾉ存在ﾊﾏﾀﾞｼｯｶﾘ現世ﾆ保ﾀﾚﾃﾙ。」
みどりくんに抱きしめられ背中をぽんぽんと叩かれる。乱れていた呼吸もしばらくすると落ち着いた。
『私、どうしちゃったんですか…？』
ky「俺が説明しよか。」
ばどきょーさんがこちらにやって来る。
そのまま私が気絶した時に起こった事件を聞いた。
…それから、もうじきv国と私達との戦争が始まるという事も。
ky「そんで…魂だけになっちまったマリさんを認識できるのは天使族の俺、トン氏、ぺんさん。ゴースト族のみどり。今把握できてるのはこれだけや。」
『そう…ですか。』
…魂だけになった私に、何ができるというのだろう。これではただの足手纏いじゃないか。折角また彼らと再会できて、ぐちつぼさんを支えたいと強く願っていたのに。
md「…ﾄﾘｱｴｽﾞ､魂ﾊ存在ｶﾞ不安定ﾀﾞｶﾗ…ｺﾉﾗﾝﾀﾝﾉ中ﾆ入ｯﾃｵｲﾃ｡入ｯﾃﾙ時ﾊ、マリﾉ魂ﾊ燃ｴﾃﾐﾝﾅﾆﾓ見ｴﾙﾊｽﾞ。」
『………ｯはい。』
私は、ガラス張りのランタンに吸い込まれる様に入っていった。
md「…ｸﾞﾁｻﾝ。」
gt「………マリ、ごめん。守るってつい昨日言ったのに。2回も約束、破っちまって。」
『…ぐちつぼさんは、悪くないです。』
私の言葉は彼に届かないままガラスに響いて消えた。
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作者名：その辺の夢女 | 作成日時：2023年7月31日 14時
