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彼の考え ページ36
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この子はあの時僕の前からいなくなった。
あの時そんなことがあったなんて知らなかった。
桜井一族惨殺事件、その時巻き込まれたんだって思ってた。
死んだって思ってた。
大事な親友とその妹が。
大好きだった彼岸が死んだって思ってた。
この子が並盛に居て並中に通い始めた。
それだけで嬉しくて会いに行こうとしてもバレバレの隠れ方。
しかも僕を名字で、しかもさん付けで呼んだ。
まぁ、生きてたからいい。愛しいこの子が生きてて嬉しい。
なのに、なのに今君は
「.....死にそうになってるじゃないか」
酸素マスクをつけられて、点滴を打たれて。
頭に包帯を巻かれて。
もう、朝なんだから起きないとだめでしょ。
「....こんなにも愛しいのに...素直になれないね僕は」
僕はこの子の頭をなでてみた。
昔と変わらないふさふさ。歩十もそうだった。
...
──＊
優しい雲雀さんも、怖い雲雀さんも私は好きですよ
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作者名：憂鬱 | 作成日時：2019年3月10日 22時
