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わたしが、孤児院にいたのはマコのいた静岡県藤枝市だ。
産まれたのは東京だと聞いてるけど、
本当のとこは知らない。
っていうか、そんなことは知らなくていい。
わたしにとって別にプラスになるわけじゃない。
なぜ藤枝市に行ったのかもわからない。
中2まで藤枝市にいて、
何となく横浜に行った。
それで高校1年まで横浜で過ごして、
また何となく静岡市に行った。
特に理由なんてない。
誰ともうまく付き合えなくて
どこに行っても浮いてる存在だった。
それが嫌だってわけでもないし、
それが普通なんだと思ってた。
でも、あの高校に転校してからは
今までの生活では考えられないくらい
楽しかった。
だからあの2年は忘れたくない。
今まで自分の故郷がどことかどうでもよかったし、
どこにも思い入れはなかった。
でも今は違う。
故郷ではないかもしれないけど、
戻れる場所、行きたい場所は
たった2年過ごした街なんだ。
篤人の運転する車の助手席に乗りながら、
そんなことを考えていた。
『店長の家に行ってから、実家行くでいいよね?』
「やっぱ行きたくないって言ったら?」
『うーん、今回はやめる?』
「冗談。大丈夫、行ける。」
『ホントに大丈夫?無理しなくていいからね?』
「後回しにしたって意味ないでしょ。今度いつ来れるのかもわかんないのに。」
『まぁ、そうだけど。』
心配してくれてるのはずごくわかる。
ずっと黙っておくわけにもいかないと思う。
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Atsuto@Hotaru(プロフ) - この作品は青春LANDからずっと読ませってもらってます!作者さんの作品は全部読ませってもらっていて、どれも大好きです!なので。更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2015年10月8日 7時) (レス) id: caa8a0f703 (このIDを非表示/違反報告)
絵里華(プロフ) - Atsuto@Hotaruさん» お待たせしました!待っててくださる人がいて嬉しいです♪ (2015年10月7日 22時) (レス) id: a07037caca (このIDを非表示/違反報告)
Atsuto@Hotaru(プロフ) - 更新お願いします(>人<;) (2015年10月6日 6時) (レス) id: caa8a0f703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵里華 | 作成日時:2015年7月20日 23時