【103】勝手に思うのは、尊敬されたあとで ページ3
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小津「最近さ、なんか変わったことない？」
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そう言われて、わたしは「変わった事……」と考える。
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A「いえ、特にないですけど」
小津「そうか……」
A「何か、気になりますか？」
小津「二宮が、怪しいんだよな」
A「二宮さんが？」
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ポツリ、と小津さんが「ここだけの話だぞ」、と。
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小津「…………二宮に、女がいる気がする」
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と─────そう、言った。
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A「いるんじゃないんですか？一人や二人」
小津「一人ならいてもいいけど、二人はまずい」
A「じゃあ一人、いるんじゃないんですか？」
小津「簡単に言うなよ！」
A「でも今、オフは殆ど相葉くんと一緒ですよね」
小津「あー…こないだも家で飯食ったっつってたな……」
A「相葉くんいま、彼女と喧嘩中でしょ。 空き時間、ほぼ相葉くんと一緒なのに……女、できますかねぇ？」
小津「うーん……」
A「相葉くんとデキてたらどうしますか？」
小津「……………………それはそれで、困るな……」
A「ちょっと関係性を隠す風にした方が売れますよ、多分。ほら、若い女の子ってそういうの好きじゃないですか」
小津「これ以上売れなくてもいいから、おだやかーに過ごしてほしいよ。俺は(笑)」
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言いながら、小津さんは「俺の心配し過ぎかな……」と、カメラの前に立つ５人に視線を投げた。
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小津「その点、櫻井はいいよな。 ほぼ空いてる時間はないし─────つきっきりみたいなモンだもんな」
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わたしはその肯定も否定もせずに、小津さんと同じ方向を見る。
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小津「…………メシ、作ってんだって？」
A「朝だけですよ」
小津「洗濯も？してんの？」
A「アイロンがけに煩いです」
小津「……へーぇ…」
A「仕事ですよ？」
小津「仕事で、ねぇ……」
A「だってカラダが資本ですから」
小津「…………本気でそう思ってるお前を、俺は尊敬するよ」
A「？」
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意味が解らないわたしに、小津さんは「いや、いいよ。お前はそのままでいてくれ」と苦笑した。
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A(あれかな？)
A(こういう仕事してたら、これまでマネージャーやってた女は)
A(アイツの事好きになっちゃってたから)
A(仕事って割り切れるのを尊敬する、ってことかな？)
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小津さんからの答えはなかったけれど。
なかったから、わたしはそう勝手に思う事にした。
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2014年1月31日 5時
