【120】棘のある言葉は、大問題のあとで ページ20
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大野「いま、ニノについてるのって小津さんだっけ？ 気付かなかったの？」
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ふにゃんと笑っているけれど、大野くんの言葉には棘が。
悪意が含まれていた。
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わたしたちマネージャーの仕事は、彼らのサポートだ。
けれど、その他にも─────彼らを監視する事だって仕事に含まれる。
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A(だって)
A(だって彼らは、《商品》だから)
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アイドルである彼らに色恋沙汰は勿論大問題な訳で。
そりゃいい年した大人なんだから、ソウイウコトはある。
だけど、その気配があればチーフマネージャーや上層部に報告する事となっていて。
それに気付かなかったというのは、マネージャーとして大問題だ。
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小津「クソ……」
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小津さんが、苦い顔をした。
「怪しい」とは言っていたけれど……きっとまだ、報告できていなかったんだろう。
確証がないから動かなかったのだと思う。
でも上はきっと、そうは思わない。
小津さんが無能だったから報告を上げられなかったと、そうとるだろう。
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大野「気付いてたけど、ニノの為に黙ってくれてた…なーぁんてコトぁないよね、小津さんに限って(´･∀･`)」
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嵐の為、彼らの為。
小津さんはそう考えてわたしとの結婚をやめ、大野くんに結婚を諦めさせ。
そして今度は事務所内で権力を握っている人の血縁者と、結婚する。
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大野「相葉くんが喧嘩して家を出てきた時、小津さん喜んでたもんね？ あんな辛そうだったのに、『別れそうだ』っつって、喜んでたもんね。 ニノが決まった相手見つけたのなんて、喜べないでしょ？」
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大野くんはふにゃっと笑ったまま。
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大野「ま。感謝もしてるんだけどね。小津さんがあの時邪魔してなかったら、マコトはここでこんなイイ仕事は出来なかっただろうし」
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そう、彼の「決まった相手」の名前を出して、そう言った。
(イイ仕事って、意味が解らないけど)
そうしてそれから。
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大野「でもさぁ……自分の都合押し付けて俺らの為とか言うの、やめてくれる？」
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そうはっきりと笑顔で大野くんは、小津さんの事を自分たちの味方ではないと、言った。
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小津『櫻井はさ、他のマネージャーの誰よりも俺を嫌ってるから……』
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彼だけじゃなかった。
小津さんの事を嫌っていたのは彼だけじゃなかったのだと、この時初めてわたし達は知った。
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2014年1月31日 5時
