【116】褒められるのは、大騒ぎのあとで ページ16
.
相葉「四葉ちゃ─────ん♥ (*'◇'*)ﾉｼ」
.
.
頭の中は混乱しているのに、平静を保とうとしていて。
煙草を吸い終えた彼らがトイレにいって、それから用意して貰った控室に戻った後─────本日の撮影現場となるフロアへ移動するその時まで、わたしの記憶はすっぽり抜けていた。
だから、二人が─────特に相葉くんが、控室に戻る時のテンションが、出る時のそれとは変わっていたなんて……気が付かなかった。
.
A(…………は？！)
.
相葉くんがそう言って、びっくりする位大きな声で手をブンブン振り回したのを目にして、初めて我に返った。
.
松本「…………！Σ(｀艸´;)」
櫻井「あっちゃ〜……」
大野「おぉ、よく見つけたねぇ……あんなちっこいのに」
二宮「ちょっと、相葉さん！」
相葉「あっ、ごめんなさい！ちょっとだけ！ちょっとだけね！ね！」
.
相葉くんは「すぐ戻るから！」というと、両手を合わせてぺこぺことスタッフに頭を下げて─────突然のアイドルの登場に、悲鳴みたいな声を上げる女や、携帯を出そうとしている男の間をズンズンと奥へ奥へと歩きだした。
周りがザワザワとして、今日ここへ来る事は知っていても、遭遇できるとは思っていなかったであろう人たちが「キャアキャア」と声を上げる。
一瞬の出来事にわたしは茫然と相葉くんの背中を見る事しかできなかった……
─────んだけれど。
.
.
櫻井「…………いいの？」
.
.
そんな喧噪の中、ハッキリと。
低い声が鼓膜を震わせて、わたしはハッとなった。
.
A「携帯電話のカメラなどで、撮影はしないでください！」
※「撮影した人は処分の対象となります！」
※「そこ、携帯電話をしまって！」
.
わたしが声を上げると、慌ててスポンサー側の広報や関係者からも注意を促す声が上がった。
その注意に、悲鳴は止まらなかったけれど相葉くんに向けられた携帯電話は下ろされて、ホッとする。
.
二宮「……のバカ、……ぐ…れ……すんで！」
.
子狸の声は喧噪に包まれて不明瞭なのに。
なのに─────
.
.
櫻井「よく出来ました♪」
.
.
小さな小さな声なのに。
なのに─────その声だけが驚くほどハッキリと、わたしの鼓膜を震わせた。
.
.
【117】言い訳するのは、わたわたしたあとで→←【115】気が付くのは、曲解してたと気付いたあとで
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2014年1月31日 5時
