【111】思い出すのは、《君がいいんだ》のあとで ページ11
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相葉「ふんふんふんふ─────ん♪」
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相葉くんが、延々と《君がいいんだ》を口ずさんでいる。
何度目かのリフレインに「いい加減にしろや！」と、それまで隣りでピコピコとゲームをしていた子狸がスパーン！と相葉くんの頭をはたいた。
それでも……
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相葉「ふんふんふんふ─────ん♪」
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やっぱりまだ、歌っている(笑)
クスリと笑ったわたしに、相葉くんは「エヘヘ」と笑った。
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A「ご機嫌ですね(笑)」
相葉「そりゃ！だって四葉ちゃんに会えるんだもーん♪」
二宮「嘘でしょ？！」
松本「そこ？！」
大野「(´･∀･`)」
櫻井「相葉くん……確認ですけども、今日はお仕事でココにきてるんですよね？」
相葉「うん♥(*'◇'*)」
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相葉くんが喜んでいるのは……今日のお仕事の現場が、相葉くんの彼女が勤める会社だからだ。
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A(あれ？)
A(でも相葉くんって……彼女と喧嘩してるんじゃないんだっけ？？)
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最近はずっと子狸の所に入り浸ってるって小津さんが零していたのに……。
そう思っていると視線があって、相葉くんと視線が合った。
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相葉「ん？」
A「いえ……あの、ごめんなさい。喧嘩してると思ってたから」
相葉「してないよ！」
二宮「してるんでしょーよ」
松本「あれ？喧嘩して家、出てきちゃったんじゃなかったっけ？」
相葉「ちっがうよ！ニノが……んがっ」
二宮「はーいはいはいはい、はいはいはい！」
大野「(´･∀･`)」
二宮「…………なんだよ？」
櫻井「何気に、ニノもテンションあがってるよね？」
二宮「は？！俺？！」
相葉「上がってる、上がってる(笑)」
A「……？」
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なんで相葉くんの彼女の会社で子狸のテンションが上がるのか、意味は解らなかったけれど、取りあえずわたしはそっとしておこうと思って、部屋を出た。
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相葉「五宮さーん♪」
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その後ろをぴょこっと部屋から出てきた相葉くんが、わたしの背中に声をかける。
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A「どうされたんですか？」
相葉「たばこ♪ 吸いたいなーと思って」
A「あ、こっちですよ」
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ポケットから取り出されたパッケージをみて─────ずっと彼に間違えた煙草を買ってきていた、苦い思い出がよみがえって。
胸が苦しくなった。
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2014年1月31日 5時
