【99】肯定するのは、否定できなかったあとで ページ49
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A(あ)
A(どうしよう、気持ちいい……)
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さっきネクタイを締めたばかりの彼としたあのキスとは、また違う。
遊びのない、一方的に与えられるだけの快感だ。
応える訳でもなんでもなく、ただされるがままにされて、それでも頭のどこかに残った理性が「いけない」と。
握り込まれた手で、その手を押し返そうとした時。
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二宮「あ─────らら…」
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そんな声が聞こえて。
瞬間。
わたしは力が入って、思いっきり彼を突き飛ばした。
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櫻井「…ってぇ……」
A「ににににににに二宮さ、い、いたんですか？！」
二宮「いましたよー？」
櫻井「いるんなら、言えよなー」
大野「何言ってんの、いるかどーかなんて確かめずに始めちゃったくせに」
A「ぎゃあ！」
松本「ぎゃあって、ひどくね？(笑)」
櫻井「なに？ みんないたの？」
相葉「あー、なにそれ！いなかったら何しようとしてたの？(笑)」
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入口から視覚になった、衣装がかけられたその影からひょっこりと４人が出てきて。
わたしは真っ青になった。(……つもりだけど、真っ赤になっていたのかも知れない)
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A「ちが、これ…これは……！」
櫻井「仕事仕事。仕事だって」
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そう言われて、わたしは「え」と、彼を見る。
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二宮「仕事？ ふーん、仕事ねぇ……」
松本「何それ、いいなー(笑)」
櫻井「いいでしょ(笑)」
相葉「もう……、翔ちゃん違うでしょ？」
櫻井「いやいや、そうなんだって。ね？ いやーほら俺らって外で遊べないじゃん。 彼女作るとそれはそれで後々面倒な事になるし。 だからね。なんつーの……疑似恋愛的な？」
A「え……？」
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ニッコリと笑って彼は続ける。
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櫻井「ね？」
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にっこりと。
目を細める彼に─────わたしは否定ができない。
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櫻井「この人たちマネージャーはさ。 俺らが仕事しやすいように、うまーく……なんだっけ？ディザー？ 馴染ませてくれんのが仕事だから」
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そう、それがわたしの仕事。
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櫻井「だから、俺のね。 あー彼女欲しいなーキスしたいなーっていうの要望も……折衷案的な。 彼女は作れないけど、代行はオッケー★みたいな」
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「いいでしょ(笑)」と、彼が笑う。
そうして「ほんとなの……？」と心配そうな相葉くんに、わたしは「そうなんです」、と。
そう肯定する事しかできなかった。
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【100？】《閑話》移行するのは、閑話のあとで（その２）……追記→←【98】唇を押し付けるのは、背中を押し付けたあとで ※
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2013年11月29日 2時
