【93】笑われるのは、現実を知ったあとで ページ43
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A(怒る？)
A(怒るって……なんで？)
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小津「アイツ、あの中でも一番プライベートに踏み込まれるの、嫌いだから」
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え……？
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小津「まぁ、今回はさ……こういう状況だったって、櫻井も解ってるだろうから、これでマネージャー外せ、とかそんな話にはならないと思うんだけど」
A「………………。」
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は……？？
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小津「もし、櫻井に何か言われたら……俺も一緒に謝ってやるから」
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小津さんが。
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小津「心配すんな、大丈夫だって」
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小津さんが言う意味が、理解できない。
プライベートに踏み込まれるのが、嫌い？
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A(ああ)
A(そういえば、そんな事も言ってたな……)
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彼らは、プライベートを切り売りするのも仕事の内だから─────だから、そういう部分には必要以上に触れられたくなくて。
だから、それを寂しく思う必要はないんだよって……
確かにそう、教えられてた。
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A「でも……仕事ですから…………」
小津「…………だな(笑)」
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でも。
小津さんの口振りからは、鍵を預かる─────なんて事はもっての他で、そこに足を踏み入れる事すら、彼とマネージャー……
いや。
彼と、事務所の人間との間では、有り得ない事なのだと解る。
つまり。
わたしが彼の家に入った、というのは……わたしの独断で。(いや、それに間違いはないけど)
その家に入る為の鍵は、わたしが勝手に拝借したもので。
あまつさえ、彼から直接押し付けられた物である……なんて事は、考えられない。有り得ない。
と─────そう、暗に知らされた。
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櫻井「たっまたま！ホントたまたまなんですよ！！ たまたま予備の衣装がコレで、たまたまこのタイを持ってきてたんです(笑)」
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セット替え中で。
小津さんが他のスタッフに声をかけられて「じゃあ、あとで」と言って離れた後。
カメラには映らない所で─────赤いネクタイに触れながら、彼が今日のゲストにそう言いながら。
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A「！！」
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こちらをみて─────ニヤリと、笑って。
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A(あ……っ、んのタヌキ……！)
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ペロリ、と赤い舌で─────あの柔らかな唇を舐めた。
(で、その後相葉くんに「乾燥してる？リップ貸してあげよっか？」って言われてた)
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2013年11月29日 2時
