【53】お祝いするのは、とぼけたあとで ページ3
.
相葉「あ、あれでしょ？ 俺がダメだよって言ったからでしょ？」
.
.
「だから内緒なの？」と、相葉くんがキラキラの笑顔で言う。
わたしは。
わたしは、と言えば。
.
A(ち、が、う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！)
.
そう思うしかない訳で。
あれは事故だ。
ていうか、嫌がらせだ。
.
A(あ)
A(思い出したらムカついてきた)
.
確かにキスはした。
したのよ。
だけど、その後タヌキとどーなったっていう訳でもない。
あの日は、本当に打ち合わせが終わると松潤がタヌキを起こして。
で、最後にタヌキも確認をして─────わたしはいつものように彼を送っていって、次の日迎えに行って……
そうして、今日までわたしもタヌキも、その事に触れる事なく過ごしてきたのだ。
.
.
相葉「え……だって、キス、してたよね？」
.
.
そう。
そんな事、まるで無かったみたいに。
ただ─────「ずーっと間違えて煙草を買ってきていたのを黙ってた」というのを、暗に知らされただけだった。
.
A(しまった……)
.
そうだ、そんでもって相葉くんには見られてたんだっけ……。
.
相葉「大丈夫！俺らは、味方だから！」
A「何の話ですか？」
相葉「だから、隠さなくっても……」
A「ごめんなさい、何の事言ってるのか全然解らないんですけど……」
相葉「えぇ？！」
.
「ら」って何だ、「ら」って。
それには突っ込まずにわたしは、すっとぼけて流そうとした。
.
A(ていうか……)
.
それより。
それよりなにより。
.
.
小津「あれ？まだこんなトコにいたの？」
.
.
一度事務所に寄った小津さんが戻って来て、立ち話をするわたし達に、そう声をかける。
相葉くんが「うん、買い物頼んでたー」と返事をする。
わたしは─────というと。
.
A「…………そうだ」
.
ようやく、この時になって小津さんの結婚の事を思いだして。
.
.
A「小津さん、おめでとうございます」
.
.
あれから大分経って─────ようやく、わたしは小津さんにお祝いの言葉を送った。
小津さんは一瞬驚いた顔をして。
それから、ゆっくりと口元を緩ませると「……ありがとう」、とそう言って。
わたしはごく自然に。
無理する事なく。
.
A「もー！早く教えて下さいよ！」
.
そう、笑う事ができたのだった。
.
.
【54】エレベーターが閉まるのは、サヨナラのあとで→←【52】フラッシュバックは、注文のあとで
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 469人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2013年11月29日 2時
