【51】財布を出すのは、ムカついたあとで ページ1
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大野「ツナマヨ丼なら食べられる……」
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嵐のマネージャーになった途端、恐ろしい勢いで毎日が過ぎていく。
忙しい中をぬって行われるアルバムの打ち合わせも、段々具体的な内容になっていた。
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櫻井「ツナマヨ丼ね？ 確認するけど、ツナマヨのおにぎりじゃないのね？」
大野「うん(´･∀･`)」
櫻井「それなら食べられるのね？」
大野「…る、気がする……かなぁ？」
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そんな中。
夏の、二日に渡って放送される長時間の生番組。
その企画の中でドラマを演じた大野くんが、役から抜け切れないのか、未だ、ともすると消えてしまうんじゃないかと思うくらい、その存在が儚いものに思えた。
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櫻井「五宮さん！」
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タヌキが世話焼きなのは、今に始まった事ではないらしく。
特に、大野くんに対する世話の焼き方は女房級だ。
それは、大野くんが自分の事にすら関心がないからの様に思えた。
…………んだ、けれど。
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櫻井「ごめん、五宮さん！ 悪いけどちょっと、ツナ缶買ってきてくれる？ あとレンジでチンするご飯も」
A「…………マヨネーズはどうしますか」
櫻井「あ、それもいるわ。あと醤油も」
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「ちっちゃいやつでいいから」、とタヌキは私に言った。
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A(…………そうなのよ、そうなのよね)
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世話を焼くのはいいけども、実働してるのは何を隠そうわたしだ。
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A(あ〜〜〜〜なんかムカつく！！)
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いやいやいや……あれよ？
パシリもマネージャー業の内って、小津さん言ってたわよ。確かに。
うん、言ってた。
それも仕事の内だって、言ってたわよ。
だけど、思わずにはいられない。
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A(タヌキめ！)
A(「ごめん」って単なる接頭語にしか思ってないんじゃないの？)
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そう思いながら「ツナマヨ丼ですねー」と言い、鞄からお財布を取り出す。
そうして顔を上げた瞬間─────
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A「きゃ……っ？！」
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目の前に大野くんがいて、わたしは驚いて思わず声を上げた。
大野くんは、ふにゃんと笑って「ごめんね？」と眉を下げて笑い、わたしはそれに「気にしないで下さい、仕事ですから」と自然と笑顔になる。
ああ。
こんな可愛い笑顔を見れるなら、パシリなんて幾らでも喜んでする。
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櫻井「ごめん、大野さんの気が変わらない内に行ってきて貰っていい？」←笑顔
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…………どっかのタヌキとは、ほんと大違いだ。
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2013年11月29日 2時
