恋の始まり ページ1
彼らの恋の始まり
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*中島敦
「おはようございます、Aさん」
いつも挨拶してくれる貴女にいつの間にかこちら側から挨拶してた。一瞬驚いたけどすぐに笑顔でおはよう、と返してくれる貴女にこちらも思わず笑みが零れる。
何故だか温かい心を持ったまま仕事に取りかかった。今なら何でも出来る気がする。
いつもよりテキパキ仕事をする彼に書類と一緒に付箋をつける太宰さん
“恋とか青春してるね“
顔を向ける。自分の先輩に教えられこの気持ちが恋だということに気づく。
その瞬間貴女が今までの数十倍愛おしく思えた。
*太宰治
「Aちゃーんこの仕事やってくれなーい?」
出勤するといつも言っている言葉。そして貴女からの自分でやってくださいよ、の声と困った顔。もはやルーティーンなのではと思ってしまうほどいつも通りの朝。
貴女の隣へ行き、話に花を咲かせながら作業を開始する。こうした方が何倍も捗る。
休憩時間、珍しく国木田さんが自分に缶コーヒーを渡して聞いてきた。
「お前、Aのこと好きなのか?」
「えっ」
率直な国木田さんの問いに赤くなりながら戸惑うことしか出来なかった。
気づいてしまったのだ、自分があの子のことをどうしようもなく好きなことに。
*江戸川乱歩
「も〜しょうがないなぁ全くAは!」
大きく高笑いをしながら自慢気に眼鏡を取り出す彼。犯人を突き止めろ、と無茶振りされた貴女。どう考えても分からないから助けを求める。
すぐに犯人を突き止めた彼。尊敬するような貴女の顔を見てまたもや心がキュンとなった。
名探偵は自分の心に気がついた。
今まで無縁だった恋にどうしたらいいか名探偵にも分からなかった。
考えれば考えるほど好きなのだ、あの子のことが。
*中原中也
「A、隣いいか?」
様々な場面で貴女の近くへ来る彼。飲みの席でも仕事の場でも大抵貴女の隣にいる。私が隣にいてもいいのか、と聞くと俺が隣に居たいんだからいいンだよと頭をくしゃりと撫でられた。
梶井さんがあれは確実に好きだね、と独り言。
数日後、飲みの席で酔いが回った貴女が疑問に思い聞いた。何故いつも私の隣に座るのか、と。
「はァ!?そ、それは」
お前が好きだから、最初に出てきた言葉がそれだった。だがそんなこと言えなくて口籠もってしまった。
あァ好きなのか、そう自覚したらこの気持ちは止められない。
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かんま - らのさん» ええマジですか!?凄く嬉しいです〜!!応援授かりました、頑張ります! (10月6日 16時) (レス) id: 1bafc3cd7d (このIDを非表示/違反報告)
らの - え、めっちゃタイプです!!応援してます、頑張ってください!! (9月24日 13時) (レス) @page1 id: 9133c26a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんま | 作成日時:2023年9月24日 12時