違う、そうじゃない。【影山飛雄】

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インコは珍しいことに飛雄くんを怖がったが、いくらかするうちに肩にまで乗ってくれるようになり、彼もご満悦だった




｢うふふ、嬉しそうだね｣




｢はい、嬉しいっス!!｣




あんまり見ない自然な笑顔に、これは写真を撮らねば、と直感で思った



きっとピースとか笑顔とか求めたら、きっと不自然な顔になってしまうだろうと踏んで、こっそり撮った。ごめんよ


この飛雄くんの笑顔、潔子さんにも見せてあげたい。こんないい顔するんだよ、と教えてあげたい。きっとビックリするから







＊＊＊



飛雄くんがインコとデート(?)を堪能した後、勉強会に移った




｢何か苦手なのある？｣



｢ほとんど勉強は出来ません｣｢エッ｣





ノートを見せてもらっても、多分寝てたのだろう、ぐちゃぐちゃ。眠くなるのは分かるけれども。





｢眠くなるのは分かるけど…私も眠くなるし。友達とか周りの人にノート借りなよ?｣

｢ウッス｣

｢今回は試しに私の去年のノート貸してあげる｣

｢アザっす!!｣




どの教科で寝ているのか聞いたら、体育以外と答えられたので、全部貸してあげた








｢ここ、なんでこの答えになるんスか？ここまで合ってるのに｣

｢ここはね、ここの括弧の中がまだ因数分解出来るからで…｣







｢??｣

｢これは、繕う《つくろう》って読むんだよ｣

｢こ、これは？｣

｢これは労う《ねぎらう》｣








なんか、思ってた以上に大変だった。


でも、勉強を教えるのは、好き。
自分が分かってないと人には教えられないから、もっと頑張ろうって思えるし、分かったって言って貰えたら、嬉しい。





｢…という風になるんだよ｣



｢…えっ、と｣



｢ここにこんな書いてあるから、文章から探すの｣



｢!!これッスか!?｣



｢そう、正解!!｣








よく出来たね!!と頭を撫でてしまった





それでも飛雄くんは何も言わずにそのままだったから、本当に優しいんだと思った

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