旅と青年と【ユーリ on ICE】 (ページ19)

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大晦日特別編1 ページ19

｢騒げ！騒げ～！！｣

日本で大晦日を過ごすのははじめてで、てっきり日本人は静かに年を越すのかと思いきや

｢ほら、Aさんも！｣

と、ボクの手をひいて宴会場のど真ん中につれていく勇利はもうすでに酔っている。

｢飲んでのんで！！｣

酔っぱらい特有の重言を発しながらボクに密封の酒瓶をわたすのも少しおかしくて笑える。

｢おい豚！Aを酔わすんじゃねぇ！｣

｢大丈夫だよ！A酔わない……から｣

｢いっけー！｣

なぜか日本酒を持ちながらエールを送るミナコさんも、大声で喚くユーリをからかうヴィクトルもでき上がってて、ほんのり顔が赤い。

ある意味素晴らしい光景に
ボクの日本に対するイメージが崩れ去った。

飲んで騒いで楽しそうなスケート関係のお方が数名だが

しかし、しかしだ

この宴会場にいるのは決してボクたちだけではない。

｢いいぞ～！｣

｢兄ちゃん、イッキ飲みだ！｣

このように一般客もいるなか、スケート連はやっているのだ。(ボクは端のほうでTVをみていた)

期待の眼差しを向けられては断れない。

｢しょうがないね｣

蓋をあけ口をつけて、
瓶を傾けながら喉に流し込む。
　
ツーンと鼻に感じるアルコールが脳を軽く刺激した。

ボクは元々酒に強い。

一切酔わずに
ジュース感覚で飲めてしまうためどのくらいでもいけてしまうのだ。

でも、たくさん飲んでは身体に悪いから遠慮してるけど｢今回だけ｣なんて理由つけて、酒を飲み干していく。

……言っておくけど、普通の人は絶対に真似しないでね。ボクだからこそ出来ることだから。