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｢大分遅くなってしまいました。すいません｣
いつも通りと言えばいつも通りだが、
案の定平賀は実験に集中し過ぎてしまい気づいた頃には外は暗くなっており実験室には彼一人しかいなかった。
慌てて帰る仕度をして廊下に出るとロベルトがすでに自分を待っていることに平賀は深く反省する。
｢僕は大丈夫だけど、従兄弟は平気のかい？｣
｢あ、そうですね。確か列車の最終便で来ると言っていたのでまだ時間的に大丈夫だと思います｣
建物から出て鞄の中からマフラーを取り出して巻く。軽くはいた息が白くなり空中に混じってあっという間に見えなくなった。
｢月がよく見えます｣
｢そうだね。昨日も一昨日も曇りだったから、暫く見ていない気がしたけど今日見れて良かったよ。
……そういえば、日本では月に関してロマンチックな言い方があると聞いたことがあるけど｣
｢夏目漱石さんとかですか？それなら、私より従兄弟に聞いた方がいいと思いますよ。
彼の今の研究分野とは大きく離れていますが、昔そういう題の論文を書いたことがあったと思います｣
｢それは是非聞いてみたいものだ。それより"今の研究分野"ってことは彼は学者なのかい？｣
｢はい、医療系のですね。といっても他の知識も幅広いのでよく実家に帰るときや都合がつくときに私の相談にのってもらっています｣
ロベルトは嬉しそうに話す友を眺めて、
二人の平賀が専門用語を交わしながら語る異様な光景が脳内に浮かんだことに思わず苦笑いをした。
駅にはチラホラと人を見かける以外、静かな空間にアナウンスが流れているだけで
さすがにこの時間帯になると騒がしくなることもないらしい。
ロベルトと平賀が到着して数分後に最終列車はホームに入ってきた。
いざ平賀の従兄弟に会うことになると思うと緊張してきたロベルトだが、平賀と一緒に従兄弟を探そうと動く前にロベルトの目は前方に釘付けになり、そこから足を動かすことが出来なかった。
列車から降りてきたひとりの美しい人。
電灯の光にあたってきらきらと輝くプラチナの髪を結い上げて、それでも腰まではあるそれをたなびかせて歩く。
遠くからでも分かる雪のような肌、すらりとした身体に長い手足、白のセーターに白のチェック柄のズボン。
まるで西洋の天使のような美しい容姿をした人だった。
＿＿ロベルトはその人と目があった。
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砂雅(プロフ) - 霧彗トァンさん» 楽しみにしていてください♪ (2017年8月10日 8時) (
レス) id: 0bfe8e7994 (このIDを非表示/違反報告)
霧彗トァン - 更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年8月9日 23時) (レス) id: a414c3ef52 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - うぉぉ(*´∀｀)ジュリア様のようですね。 (2017年8月5日 3時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
砂雅(プロフ) - あんばーるさん» そうですね。皆様にもはやく気づいてほしいです。ちなみにロベルトから夢主様は天使に見えますが、設定として夢主様はけっこうな魔性です。人は見た目に騙されてはいけませんね…なんて♪ (2017年8月2日 7時) (レス) id: 0bfe8e7994 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アニメ化したとはいえ、マイナーですからねぇ…皆の衆!!魅力に気付くのが遅いぞ！と思っとりますｗロベさんにとっては平賀と主人公どっちも天使なんですね(っ´ω`c) (2017年8月2日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂雅 | 作成日時：2017年7月29日 0時
