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◎よこやまさん
2011年12月某日。
5大ドームツアーも順調に進んでいたある日。
マネージャーが重大な知らせがあると言い、
俺らに話をしに来た。
「皆さん朗報です！白岡さん、カウントダウンライブの見学に来るそうですよ。」
その言葉を聞き、楽屋のメンバーたちは自然と目を合わせる。その顔には嬉しさが滲み出ていた。
ついに。待ちわびていた日がやってきたのだ。
NEWアルバム「FIGHT」を引っさげての関ジャニ∞史上初の5大ドームツアー。
ファンの人たちの熱狂もさることながら、やはり気になるのは晴人の不在だった。
ファンの人の中には去年のライブの晴人の団扇を掲げる人や、晴人へのメッセージを持っている人、全身白の服を着た人もいた。
晴人の欠席は事前にアナウンスされていたし、ステージに本人は居ないはず。なのに、客席を見渡すとまるで晴人がそこに居るように思えるのだ。
どうしてもこの景色をあいつに見せてやりたい。
その思いで、俺らはマネージャーを介して晴人にライブを見に来るよう説得していたところだった。
「晴人の体調も大丈夫そうなん？」
「はい。今はだいぶ落ち着いてるみたいです。」
関ジャニ∞には晴人が必要だということ、
ファンのみんながこんなにも首を長くして待ってくれているのだということを伝えたかった。
これが晴人のためになるかは分からない。でも、少しでも晴人がこの場所に戻ってくるきっかけを作ってやりたかったのだ。
＿＿＿＿＿そして、カウントダウンライブ当日。
「晴人って、関係者席？」
「はい、そうです。ただ、かなり変装してもらってるので気がつくかどうか…。」
「いや、絶対に気づく自信あるわ。」
開演の数時間前、スタッフさんとそんなことを話していたのを覚えている。
コンサートが始まると、
俺らのテンションも最骨頂。
うねりを上げる歓声と、壮大な景色を作るペンライトの海。ドームならではの景色に毎回のごとく圧倒されながら、俺はどうにかして関係者席を見るタイミングを伺っていた。
トロッコで移動しながら、パッと関係者席を見る。
「やっぱり、か…。」
俺は心の内を顔に出さぬよう、
笑顔のままマイクを持ち続ける。
胸の中にあった少しの希望が、
はらりと、静かに崩れていくのがわかった。
異様にぽっかりと空いた席。
俺らの大切な末っ子は、其処には居なかった。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
