＃ ページ35
◎きりやまさん
その後、2人とも無事に合格し、そのままダンスのレッスンが始まった。
晴人くんは入所早々良い立ち位置をもらい、見に来た先輩たちにも期待の目を向けられていた。
『やったな桐山！ていうかお前、めっちゃダンス上手いねんな〜。』
「いや、そんなことないよ。でも、2人とも合格できてよかったわ〜。」
晴人くんは、ずば抜けてダンスが上手いというわけではなかった。
だけど、オーラ？みたいな、身にまとっている雰囲気がすごくキラキラしていて、その分彼の姿は人一倍ステージに映えた。
一緒に初舞台を踏んで、雑誌にも小さくやけど載せてもらった。
お仕事の帰りに一緒にマクドに行ったり、好きなアニメの話をしたりもした。
晴人くんはやっぱり事務所の人から期待されていて、相変わらず俺よりもちょっと前に立っていたけど、
いつしか隣に並んで、淳太くんと3人で一緒に活動するようになっていた。
「これからずっと、3人なんかなぁ？」
『どうやろう。でも、ずっと一緒に活動できたらいいな。』
まだ見ぬ未来を想像して、そんな話をしたこともあった。
____＿＿＿＿しかし、それは叶わぬ夢となる。
2005年の夏。エイトさんが座長を務める舞台の稽古中、晴人くんだけがレッスン室の外に連れて行かれた。
“ジュニアの中から、穴を埋める代役を選ぶ”
俺たちジュニアの中で密かに噂されていたことが、
現実になった。
『淳太くん、桐山……ごめん。』
あのとき、今にも消えてしまいそうな声で吐かれた言葉を、俺は片時も忘れたことがない。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
