past.3 ページ13
◎なかまさん
2010年秋。
「晴人、病院行ったほうがいい。」
『行かへんよ。淳太には関係ない。』
横山くんに晴人の連絡先を聞いて、なんとか彼をつかまえたのはその年の秋。
夏の松竹座公演はすっかり終わっていた。
晴人が実家に帰ってきてるらしいと噂に聞き、実家を訪れると見事に的中。
ドアを開けて立っている俺を見つけた途端、晴人はため息をついた。
「なんなん、なんで避けるんよ。」
『避けてない。』
「さっきだってため息ついてさあ。俺、なんか悪いことした？言ってくれなわからんやん。」
『なんもないって。考えすぎ。』
晴人はそう言うとドアを閉めようとする。
隙間から腕を伸ばし、思わず彼の体を引き止める。
あれ、晴人ってこんなに痩せてたっけ。
目の下にはクマもあるし、こんなん、俺の知ってる晴人じゃない。
「晴人、なんで今日実家帰ってきたん？仕事？」
『別に…仕事はない。おかんに、会いにきただけ。』
晴人の目が泳ぐ。何か隠してる。
直感的にそう思った。
「一回話そう。なんでも聞くから。俺んち来い。」
そう言うと晴人はドアの向こうに消えていき、しばらくすると大きなカバンを持って出てきた。
『今日の夜、東京帰るし。…どうせなら淳太ん家寄ってから帰る。』
なぁ、なんでそんな泣きそうな顔してるん。
なにを、隠してるん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
