＃ ページ40
◎なかまさん
「晴人のTシャツ、照史の涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってたよな。」
『うん。めっちゃ汚い顔で泣いてた。あのTシャツ桐山のせいで着られへんくなった。』
「シラフであこまで泣けるって逆にすごいよな。」
『ほんまに！俺、桐山のこと泣かせてもうたと思ってめっちゃ申し訳なかってんけど、あまりにも泣くから途中から笑けてきたもん。』
「サァーって涙引いていったよな俺ら。」
『うん。』
何年前のことだろうか。
晴人と照史と3人で松竹座終わりに熱い話をした夏の日のことを思い出す。
あの日、晴人のことを引き止めなかったら今頃どうなっていただろう。考えただけでぞっとする。
だけど、俺らも大人になったよな。
あの時のこと、こうやってラジオで笑いながら話せる日がくるなんて。
＿＿＿＿鼻水を垂らしながら大号泣していた張本人は必死に弁明をしているけど。
「だって！晴人くんが事務所辞めちゃったらどうしようって、真剣に心配したんやもん！！そりゃ泣くやろ！」
照史の叫びを聞いた晴人は、キュッと目を細める。
優しい、彼がよくする笑い顔だ。
『でも、あの日3人でめっちゃ喋って、桐山の涙見たら、ほんまに頑張ろうって思えたねん。これはほんまやで。』
もし晴人がB.A.Dのままだったら、どうなっていただろう。そんなことを考えたこともある。
だけど、そうじゃない。
きっとそんなこと、誰も望んでいない。
『2人のおかげで今があるって思うし、こうやって一緒にお仕事がまた出来るようになって嬉しいよ。』
こうやってお互いがお互いの場所で頑張れている今があることが、何よりの幸せなのだ。
『桐山とは別に一緒に仕事したくないけどな。』
「もーなんなんまじで！淳太くん、この人ブースの外につまみ出して！！」
同期のこいつら2人は、
いつまで経ってもこんな調子ですけどね。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
