53日目 ページ6
奏多side
細雪が発動し、建物は迷宮化したが、それは僕にとっては一切関係がない。
僕の個性、インフォメーションは前に云った通り、覚えようとしたものの情報を一語一句間違えずに完璧に暗記するもの。
細雪は、あくまでも虚像。
虚像は “虚偽” 。
情報は “真実” 。
“虚偽” は “真実” に勝てやしないんだから。
壁に手をついて、ゆっくりと押し進めるとどんどんと手首が壁に飲み込まれていく。
『よし……っと…！』
そのまま手を横に払い、虚像を掻き消す。
こういう情報の上書きは異能力が相手じゃなければ個性で何とかするんだけど、今回ばかりはどうしようもない。
『地道だなぁ……』
はぁ、と溜め息を吐くと、後7分、と声が聞こえた。
……取り敢えず、谷崎さん探すか。
異能力を発動し、自身の視野に入る小石を全て浮かせて四方八方へと飛び散らす。
すると、壁に当たって跳ね返ってくるものもあれば壁に吸い込まれていくものもある。
吸い込まれた場所にもっと大きな石を投げつけると、虚像が消えて道が出来た。
ふと左の通路の方へ視線を投げると、通路の先で赤い布地を目が捉える。
谷崎さんが良く着ている赤いパーカーだ。
だけど、あっちは行き止まり。
細雪がまだ発動しているし、何よりも僕に見つかってないんだから移動する必要性は無い。
そして、僕の正面に行くと部屋が沢山あって。右に行くと行き止まり。
部屋があるのは、この階ではあの谷崎さんの虚像と思われる人影が出てきた方と正面のみ。
迷路のような地形だけど、個性を使えば何てこと無いもの。
虚像の出てきたところを歩いて行くと、鉄の扉が目に入る。
其処を思いっきり蹴り飛ばすと、案の定、扉のすぐ横に人影が見えた。
鳩尾へと放たれた蹴りを左手で受け止め、右手で思いっきり殴ると微かに相手が呻いた。
『谷崎さん、僕を騙すには一寸わざとらしかったよ』
谷崎「奏多ちゃん鋭すぎるンだってば」
『探偵なんだから当然で、しょ！』
掴んでいた人を谷崎さんに向かって投げつけると、投げた方が受け身を取り、ぶつかることなく耐えた。
『真逆、敦さんとはねぇ』
敦「僕も選ばれるなんて思ってなかったよ」
谷崎「太宰さんが殆ど決めてたからね。あとは乱歩さん」
『あー……納得』
上司二人の顔を思い浮かべ、はぁ、と溜め息を吐く。
『あんの包帯野郎……』
《奏多聞こえてるからね？》
『知ってて云ってるんだけど』
．
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儚奈(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます！読んで頂けて嬉しいです(о´∀`о) 亀更新でも、なるべく皆さんの期待に沿って書いていきたいと思うので、気長に待ってくだされば嬉しいです……！ (2018年10月21日 20時) (
レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - うわぁぁぁ続きが気になります！再新頑張ってください(p`･ω･´q) (2018年10月21日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 福永あゆりさん» ありがとうございます(о´∀`о) (2018年8月13日 11時) (レス) id: f32876694e (このIDを非表示/違反報告)
福永あゆり(プロフ) - いつでも、楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2018年8月13日 11時) (レス) id: 2e289ba634 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 福永あゆりさん» 読んでくださりありがとうございます！ そう言って頂けて嬉しいです(*´∀｀*) 更新が遅くなってしまうでしょうが、今後も宜しくお願いしますm(__)m (2018年8月13日 11時) (レス) id: f32876694e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：儚奈 | 作成日時：2018年7月15日 16時
