83日目 ページ36
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『そっかぁ……』
帽子を目深に被りながら空を仰ぐ奏多。
『僕って、本当に人に恵まれるよねぇ。
命を救ってもらって。感情を貰って。生き方を示してもらって。
そして、次は……信頼してくれる友人だ』
今の彼女は、何を思うのだろうか。
救ってくれたマフィアか、居場所である探偵社か、はたまた此の場の友人達か。
それとも、その全部か。
帽子を外し、前を見据えた奏多にはもう畏怖の念など感じられなかった。
『よーしクソ兄貴。かかってこいよ』
バキッと音を立てて沈んだ地面。ゆっくりと浮き上がる石の欠片。
ニタリと怪しげに笑んだ奏多は服に忍ばせていた機械に触れて、微かに口元を緩ませる。
息を小さく吐き出して地面を踏み切ると、相手も同時に飛び出した。
「死んでもらおうか！！」
『生憎だけど死ぬわけにはいかないかな！』
彼の人たちを護る義務があるからね、と云ったと思えば相手の腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。
その瞬間に脚を斬りつけられたが一切表情を変えること無くまた距離を詰めた。
死地に慣れきった彼女にとって、死は恐れる対象ではない。
死は何れ訪れるものであり、避けられない宿命の瞬間だ。
だけど、今は死から逃れることを一番に考えている。
『せー、のっ！！』
物凄い音を立てて叩きつけられた拳は地面に大きな亀裂を入れ、相手を追い込む。
間一髪避けた鎌の男であるが、当たっていれば粉砕骨折間違い無しだ。
「怖い怖い。流石殺人鬼」
『探偵社員だよ』
「偽善者が」
『大悪人が』
奏多が振りかざした拳は止められ、首に掛けられかけた鎌を弾き飛ばす。
微かに切れたが致命傷ではない為、集中を切らさなかった。
生徒を時々狙うように攻撃を重ねてくる鎌の男にどうも出来ない生徒は、奏多に護って貰うしかない。
然し、鎌で弾かれ仰け反った隙に行かれてはコンマ数秒対応が遅れてしまう。
切り傷が増えるなか、今度の問題は靄となった。
「おい黒霧！そろそろいいだろ！」
「そうですね。頃合いでしょうか」
『っ！！…おい逃げ！』
「黙ってろ！」
鳩尾に重い蹴りを入れられ吹き飛ばされ階段に背中からぶつかる。
13号「四十万さん！」
『先生避難しろ！』
鎌の男が振りかざす鎌を何とか転がって避け、救出に行こうとするも止められる。
奏多が確認をした瞬間、生徒が靄に覆われた。
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儚奈(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます！読んで頂けて嬉しいです(о´∀`о) 亀更新でも、なるべく皆さんの期待に沿って書いていきたいと思うので、気長に待ってくだされば嬉しいです……！ (2018年10月21日 20時) (
レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - うわぁぁぁ続きが気になります！再新頑張ってください(p`･ω･´q) (2018年10月21日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 福永あゆりさん» ありがとうございます(о´∀`о) (2018年8月13日 11時) (レス) id: f32876694e (このIDを非表示/違反報告)
福永あゆり(プロフ) - いつでも、楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2018年8月13日 11時) (レス) id: 2e289ba634 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 福永あゆりさん» 読んでくださりありがとうございます！ そう言って頂けて嬉しいです(*´∀｀*) 更新が遅くなってしまうでしょうが、今後も宜しくお願いしますm(__)m (2018年8月13日 11時) (レス) id: f32876694e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：儚奈 | 作成日時：2018年7月15日 16時
