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御福side
『野上さん……』
「お、云ったら不味かったかな」
『……もう結構です』
元から、このお二人には一度相談していることですしね。
そう零せば、ならいいじゃないか、と口を尖らせる。明らかな故意のくせに、悪気は一切無いように振る舞えるのだから、この人は恐ろしい。
あからさまに溜息を吐けば、悪かったって、と笑って肩を叩かれる。
『……まぁ、私の話はいいんです。探偵社の皆さんの持ってきた事件の銃に関してはどうだったんですか?』
「ああ、忘れてたよ」
「おい」
「そう怒るなって。ちゃんとあったからさ」
そう云ってバサリと音を立ててカウンターの上に資料を置いた。三十センチはあるであろうその資料には思わず、え、と声を三人で漏らす。
「見た事ないと思ったんだけどね、三十年くらい前に出回った銃だったみたいで、年代を絞って探せば楽に見つかったよ」
「流石だねぇ。来た甲斐があったよ」
「うちのとと様の情報網を甘く見ちゃいけないぞぉ?」
「知ってる知ってる」
軽く流す太宰さんにもケラケラと笑ってお父様の自慢をする野上さん。国木田さんは見慣れているようで程々になと云うだけで何もしない。
……随分と仲がよろしいんですね?
冷めた紅茶に再び口をつけると、何かを思い出したかのように太宰さんが声を出す。
「御福さん、色恋沙汰、とは前の御人のお話でしょうか?」
『んぐっ……!?』
危うく吹き出しそうになった紅茶をすんでのところで押し留め、そのせいで変な器官に入り噎せる。
酷く咳き込んでいると、国木田さんが慌てて背をさすってくれた。本当にこの人はいい人だ。
『こほっ……んっ…すみません、ありがとうございます…』
「いえ、こちらこそうちの阿呆が不躾なことを…」
『いえいえ、大丈夫ですよ』
未だにケホケホと軽い咳は出るものの、何とか治まった。
「……あれ、御福」
「え?はい」
「君、今日の二回目の薬飲んでたか?」
『飲んで……ま……せんね』
「飲んでおいで。最近も抜いてただろう。ちゃんと飲まないと倒れるぞ?」
『すみません……』
いつも、条野さんが居たから忘れずに飲んでいたけれど、最近は話してもいないのだからそりゃあ指摘もされない。
……そっか。
『……』
あの人、そんなに私の事無関心になったのか。
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MARU(プロフ) - 条野さん推しなので、すごくこの作品好きです!更新楽しみにしています! (2021年8月21日 22時) (レス) id: bd5ad6c911 (このIDを非表示/違反報告)
むつ(プロフ) - どうか皆様に伝わってほしいと思います。とある事情により、アカウントが変更になりました。現在、このアカウントが現在の私、儚奈です。ホームページを作りましたので、そちらをご覧ください。申し訳ありません、 (2020年3月6日 14時) (レス) id: 474b6fc94d (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - もっぴい!さん» ありがとうございます! リクエスト、遅くなってすみません……(--;) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 474b6fc94d (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい! - す、すみません嬉しくてハイテンションになってしまいました…。これからもがんばってください (2019年11月10日 15時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい - は、はう…。ありがとうございます!待ってました!!!これでまた勉強頑張れる…。これからもがん (2019年11月10日 15時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:儚奈 x他1人 | 作成日時:2019年6月8日 21時