1話 転入生 ページ2
「おはよー。」
私は教室に入った。
すると一気に、女子生徒達に囲まれた。
「えっ？なに？」
少し目星はついていたが、念のため聞くことにした。
「Aちゃん！竜渡先輩とは、どんな関係！？」
やっぱり。1年生にも、竜渡先輩が好きな人は、山ほどいる。
多分さっきの会話を聞かれてたのだのう。
「えっと、先輩と後輩だよ。」
私は冷や汗をかきながら、苦笑いをした。
「それじゃあ、どうしてあんなに仲良く喋ってたの！？」
「それは、私が変なこと言っちゃって…」
全て話すと、皆は「良かった〜。」と肩を下ろした。
しかし一人だけ、窓の方でこちらを見ている子がいる。
彼女は岬だ。岬は男に興味がないし、私を信じてくれているからこっちへこないのだ。
「岬。助けてよ。」
私がムッと頬を膨らませると、「ごめん」と指でつついて頬を元に戻した。
「岬って無口だよね。」
私が言うと、岬は本を読み始めた。
「え…無視ですか…。」
岬は少し笑いながら本を読んでいる。私反応が面白いのだろう。
その時、チャイムが鳴った。
そして先生が入ってきた。
「はーい。全員席つけー。今日は転入せいがいるぞー。」
私は転入生の疑問を抱えながら席に座った。
「入ってこーい。」
先生がそう言うと、可愛らしい声が聞こえた。
「初めまして。神崎苺です。宜しくね！」
苺ちゃんがニコッと笑うと、男子達の顔が赤くなった。
「うわー。可愛い…。Aより可愛いんじゃないか？」
「そうだな、Aと同じくらいだろ。」
と男子が口々に言っている。
そんな中岬は、
「Aの方が可愛いし。」
と転入先を睨んでいた。
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作者名：夜大好き！ | 作成日時：2017年4月29日 9時
