- ページ15
｢はあ、｣
｢ため息？Aらしくないやん｣
｢元はと言えば！あんたと檜山くんのせいだからね！｣
結構声が大きかったのか檜山くんがこっちを振り返ってしまった。
｢ん？なんか言った？｣
｢檜山くんのばか！｣
｢え？｣
｢檜山くんかわいそー(笑)｣
｢あんたもだよ｣
｢えー俺は檜山くんから言われたのをそのまま伝えただけですー｣
｢ほんときらい｣
最後にもう一回ふかだと檜山くんを睨んで第1走者のレーンに戻る。
練習が始まって、第1走者の順位はなぜかわたしが1番。
そのままトップを守り続けてアンカーのふかだが差を広げる。
檜山くん早いなーなんて見てたら他の女の子たちもうちのクラスの男子に釘付け。
ふかだなんかキャーキャー言われてるし。
｢どう？俺かっこよかったっしょ？｣
｢自分で言うな｣
｢Aも速かったね。ビックリした。｣
｢そりゃどうも｣
｢ねえ湧くんなんかAが冷たいんだけどー｣
｢知らねえよ(笑)｣
｢2人とも俺に辛辣すぎ(笑)｣
｢辛辣って言葉知ってるんだ｣
｢うーわ。Aさんそれはバカにしすぎでしょ。俺怒ったかんね｣
｢はいはい落ち着いて｣
｢ねえもうA嫌いなんだけどー｣
めんどくさいって思う気持ちは胸にしまって適当に謝る。
そしたら｢A俺のこと好き？｣なんて茶化してくるから軽く腹パンしといた。
｢2人ってほんと仲良いよね。Aちゃん深田のこと好き？｣
｢っ、は！？！？｣
女子に囲まれてるふかだを置いていって1人で教室に戻ろうとしたら檜山くんに声をかけられた。
｢え、好きじゃないの？完璧に両想いだと思ってたんだけど｣
｢すき、じゃ、ないです。｣
｢ふーん。じゃあ俺にもチャンスあるってこと？｣
｢っへ、？？？｣
｢ひやまなにしてんのぉ〜、おれのA口説かないで！｣
助かった、、、、
別にそうたのものじゃないし口説かれてるわけじゃ、いや、口説かれてるのか。
とりあえずそうたが来てくれたおかげで檜山くんは戻っていった。
｢そうたジュース奢ってあげる｣
｢え？ほんとに口説かれてたの？｣
｢あ、いや違うけど、文句言うなら買わないからね！｣
｢Aちょーかわいいんだから気をつけて。Aのこと狙ってる男なんてゴロゴロいるんだから｣
｢は、はい｣
｢ん、いい子。｣
そうやって頭をぽんぽんしてくるそうたがいつもの100倍、大人っぽくてかっこよく見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：r | 作成日時：2023年3月24日 2時
