【ツイステ】お姉さんは監督生を護りたい3 (ページ10)

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そしてその日の夜。

当然二人はへとへとになっていた。

部屋に戻ってきた早々、グリムに見張りが行ったかどうか見張ってくれと言われた。

とりあえず寝たフリをしようと、ユウくんが布団をかけてくれた。

「寝たフリだけでも、ユウくんはベッドで寝てね。お願いだから」

私が言うと、ユウくんは渋々了解してくれた。

刹那、ガチャガチャとドアを開けるような音がする。

私たちは布団を被るように寝たフリをした。

「……よし、オンボロ寮の3人はちゃんと部屋の中にいるようだな」

「ほかの部屋を見回りに行くぞ」

「最近脱走する寮生が後を絶たない……。カリム寮長も非常にお怒りだ。
ジャミル副寮長の進言にも耳を貸さない状態らしい」

「いつまで続くんだろうな、こんな生活。
……僕、もう実家に帰りたいよ」

「弱音を吐くな。俺だってホリデーは家族と過ごしたかったさ……」

悲しそうな声色に、私は同情と同時に、母性がくすぐられる。

どうにかして、この二人だけでも実家に帰らせたい！そして腹一杯にご飯を食べさせて自由にさせてあげたい！と。

「……見張りは行ったか？」

「……うん。行ったみたい」

私がそう言うと、グリムは布団から出た。

「午後の訓練も、食べたものが全部出そうなくらいキツかったんだゾ。
学園長はアテになんねーし……ここはオレ様たちだけで何とかするっきゃねぇ」

真剣にグリムが話す中、短い手で腕組みをしながら、話すグリムはとても可愛いなあ、と場違いなことを思ってしまった。