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翌朝、私はベッドの上で目を覚ました。
昨日の夜はユウくんが『Aさんはベッドで寝てください！お願いします！』と強く言われたので、仕方なく寝ることにした。
グリムはベッドの上で寝る気満々だったので、私と一緒に寝た。
だけど、ユウくんにはベッドで寝て欲しかった！！くそ、なんで私はこんな可愛いユウくんに床で寝かせているんだ。
あ、布団ズレてる。お腹だけでもかけてあげないと。
布団をかけ直して、ユウくんの寝顔を見る。
すやすやと気持ちよさそうに寝ている。
まるで天使のような寝顔に、頬が緩む。
グリムも気持ちよさそうに口を開けて寝ていた。
「王様と大臣……？」
しばらくすると、うっすらと目を開けて寝言をボヤくユウくん。
多分原作通り、アラジンの夢見てたんだろうな。
「ふふ、なんの夢見てたの？」
「わっ、Aさん。起きてたんですか」
少し頬を赤くするユウくんはとてもかわいい。
「うーん、さっきまでは覚えてたんですけど……なんだったかな……」
覚えていないようで、少し眉を下げていた。
「んが……もうカビのクラッカーはいらねぇんだゾ……むにゃ……」
やけに大きな寝言をつぶやくグリムに、私とユウくんは少し顔を合わせて、笑った。
そのとき、ガチャガチャという音がして、ドアを開けてスカラビア寮生が入ってきた。
「お前たち、いつまで寝ている気だ！起きろ！」
「ふがっ！？なんだ？……って、まだ朝6時なんだゾ」
グリムがびっくりして辺りを見回す。
「これより東のオアシスに向けて、10キロの行進を行う！」
「足場の悪い砂漠を10キロも？なんでオレ様たちが、そんなことしなきゃいけねぇんだゾ」
「つべこべ言うな。お前たちも参加せよと寮長が仰せだからだ！来い！」
「フギャ〜！ヤダヤダ〜〜離すんだゾ〜〜！」
ベッドから引き剥がそうと、グリムの首根っこを掴む寮生。
ヤダと可愛らしくただをこねるグリム。
「ちょ、ちょっと！グリムは私たちが連れていくので！首根っこを掴まないでください！」
「本当だろうな！遅れたら承知しないからな！」
指をさして宣言する寮生は去っていった。
『私たちも向かおうか』とグリムを宥めながら、談話室へと移動した。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
