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ふい、と目線を逸らして言うフロイドに、Aはくすりと笑った。
「……ネオンちゃん、なんで笑うの」
「フロイドさんは優しいなって、思いまして」
笑いどころのツボおかしい、と言いたげな顔をするフロイドに、Aはまた笑った。
「はぁ?そんな優しくしたつもりないんだけど」
「そんなつもりなくても、ありがとうございます。なんだか元気出ました」
「……ネオンちゃんのくせに生意気」
「ご、ごめんなさい?」
「謝んなくていーの。次、謝ったら絞めるから」
「えっ」
そう言い放ったフロイドは、料理の指示に戻った。
「あー、そこの小魚ちゃん。それまだ仕上げの調味料かけてないから、運ばないで」
「し、失礼しました!」
「オーブンに入れてた野菜、焼き上がりました」
「それはもう味付けてあるから、適当にテーブル並べていーよ」
「ちょ、朝食の準備が済んでいる、だと……!?」
声がする方に、Aたちは目を向けた。
そこには驚いた顔をしているジャミルの姿があった。
「これは、君たちがやったのか」
「ウミヘビくん、おはよ〜。そ、オレとネオンちゃんとスカラビアの小魚ちゃんたちが作ったんだ」
「ジャミルさん、おはようございます」
にこやかに挨拶すると、頭に手を当てて面白そうに笑顔を浮べる。
「アズールがさぁ、ウミヘビくんを助けてあげたい〜って言うから」
「そんっ……、そんな、客人を働かせるわけには」
「別にオレら客ってわけでもなくね?合宿相手じゃん。
あ、でもネオンちゃんは客人かぁ。じゃ、休んで」
「え、そんな……」
思い出したように、Aの手を掴んで談話室に座らせるフロイドに、とても申し訳なくなったA。
Aは結局、ちょっとしか手伝いができなかった。
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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ
作成日時:2022年4月10日 15時