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「おっ、なんだお前ら。まだ遊んでるのか？」
「えっ！？
お前、もう寝てたはずじゃ？」
もう随分と聞きなれた声がジャミルの耳に入る。
振り返ると、寝ていたはずのカリムの姿があった。
ジャミルは大変驚いた顔をした。
しかしすぐにいつもの顔に戻って、眉にシワを寄せた。
「どうして……。
一人でフラフラ出歩くなといつも言ってるだろ。もしまた誘拐されでもしたら……」
「心配症だなジャミルは。大丈夫だよ、ジェイドも一緒だったし」
「──は？ジェイド？」
“ジェイドと一緒だった”という言葉に、ジャミルの脳内は停止した。
「はい。ずっとカリムさんのそばにいましたよ」
「……！！」
「カリムさんは本当に親切なお方ですね。色々と丁寧に教えてくださって……」
ジャミルは言葉を理解した瞬間、なにかよからぬ事が頭をよぎった。
「……お前、カリムになにをした？」
「なに……とは？僕達はただ楽しくお話をしていただけですよ」
疑いの目を向けるジャミルに、にやりと悪そうな笑みを浮かべるジェイド。
「ね、カリムさん」
「うん。物置を案内してただけだぜ？」
「──っ……！！」
ジェイドの笑みがどう考えても怪しく見えてしまうジャミルは目付きを悪くする。
「あ、そうだ、ジャミル。ウチから持ってきた銀の青の絨毯があっただろ？
あれ、どこにあるか知ってるか？俺じゃ見つけらんなくってさ」
ジャミルの様子に気づいてないのか、話を進めるカリム。
ジャミルは自身を落ち着かせるように、深く息を吐いた。
「戻ろう、カリム」
ここにいてはまずいと思ったジャミルは、カリムの腕を掴んで部屋に戻ろうとした。
「ん？なんだよ、急に」
「いいから、部屋に戻るぞ！」
「うわっ！？
わかった、わかったから引っ張るなって！」
未だ頭にクエスチョンマークを浮かべるカリム。
ジャミルは一刻も早くここから抜け出したくて、カリムの腕を力強く引っ張った。
「悪いジェイド。絨毯はまた今度な！」
「はい。……またいずれ、フフフ」
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
