・ ページ41
グリム、アズール、フロイド、そしてジャミルはマンカラというゲームで遊んでいた。
ユウとAはその様子を眺めていた。
「やった〜〜〜今回はオレの勝ち!これで三勝!」
「集中力が高い時のフロイドは、やっぱり勝負強いな」
「ふぎゃー!また負けた!アズール、容赦ねぇんだゾ!」
「これで僕は5勝0敗。まあボードゲーム部として当然の結果です」
にっこにこのフロイド、あまり悔しそうじゃないジャミル。
そして涙目のグリムに、自慢げな顔をするアズール。
「ジャミルさんは2勝3敗、ですか」
「ん?……ああ、久しぶりだから腕が鈍ったかな。
昔はよくカリム『勝つまでやる』って、毎日何時間も付きあわされてたっけ……」
懐かしそうに話すジャミルに、Aは少し和んだ。
「こういうの弱いくせにな」
ふっと笑うジャミルに、アズールは眼鏡をかけ直しながら口を開いた。
「なるほど。ふむ。それでですか」
「なにが『なるほど』なんだ?変なヤツだな」
眉を少しひそめたジャミルに、アズールはにこやかに笑って、話を逸らした。
「いえ、こちらの話です。カリムさんとは幼い頃から一緒に育ったのですね」
「それこそ物心つく前からだな……。そういえば、君たちオクタヴィネルの三人も幼なじみだったか?」
「そうらしいね〜」
“らしい”と言った、フロイドに疑問を持ったのか、グリムとユウは首を傾げる。
「らしい、って。なんで
「オレたちエレメンタリースクール入ってから、ずっと同じクラスだったらしいけど」
フロイドが言うには、アズールを認識したのはミドルスクールに入る直前だと言う。
つまり卒業直前まで、クラスメイトの名前を覚えていないということだ。
「だからあんま幼なじみっぽい思い出ないっていうか」
「興味にムラがありすぎでは……」
(卒業直前まで覚えてないって……そんなに興味なかったのかなあ……)
ユウはぽつりと漏れたが、Aは声に出さずそう思っていた。
296人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ
作成日時:2022年4月10日 15時