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打って変わり、ジャミルの部屋。
「はぁ……カリムのヤツ、また勝手に決めちまいやがって。
俺がどれだけ苦労してると……クソッ」
寮生たちに接していた、さきほどのジャミルとは思えないような口の悪さ。
「今日はもうカリムは寝たし、なにも問題は起こらないだろう」
はあ、と大きくため息をついてベッドへと寝転がろうとしたそのとき、トントンと扉をノックする音が聞こえた。
「誰だ?こんな時間に……」
寮生か?と顔を顰めながらも扉を開けた。
「こんばんは、ジャミルさん」
「こんばんはぁ〜〜」
「邪魔するんだゾ!」
「夜分にすみません」
「ぞろぞろとすみません」
そこにはオクタヴィネル寮のアズールとフロイド、オンボロ寮の二人と一匹がいた。
「!!
……なんの用だ?」
いっそう顔を顰めるジャミルに、スラスラとアズールはにこやかに話をする。
「さきほどカリムさんにご案内いただいた宝物庫で、見たことないボードゲームを見つけまして。カリムさんにルールを説明していただいたのですが、どうも要領を得ない」
「この穴の空いた木の板と宝石で遊ぶゲーム、どうやって遊ぶの?」
どこからか持ってきたボードゲームを見せ、ジャミルに手渡す。
フロイドは宝石と木の板に指をさした。
「ああ、『マンカラ』か……熱砂の国ではポピュラーなゲームだよ」
「ボードゲーム部の僕としては、ぜひ遊んでみたくて、一局手合わせ願いませんか?」
「オレもオレも〜。ウミヘビくんと遊びたーい。あはっ」
「勝負とあっちゃ、グリム様も参加しねぇわけにはいかねぇんだゾ!」
眼鏡をかけ直して、はにかむ程度に笑うアズール。
それに乗っかり、フロイドやグリムも遊びたいと言う。
「……カリムも寝たし、まあいいか。
わかったよ。この人数じゃ俺の部屋は狭い。談話室に行こう」
ジャミルは少し考えてオーケーを出した。
ジャミルたちは談話室へと足を運んだ。
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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ
作成日時:2022年4月10日 15時