・ ページ35
スカラビアの寮の中に入ると、アズールたちに気づいたのか、カリムはこちらを振り向く。
「あれ、アズール?なんでウチの寮にいるんだ?」
「こんにちは。ご機嫌いかがですか、カリムさん」
にっこりとアズールは笑うと辺りを見渡した。
「いやぁ〜〜、いつ来てもスカラビアは素晴らしい。外は雪もちらつく真冬だというのに、まるで真夏の陽気じゃありませんか」
辺りを見渡したと思ったら、唐突にスカラビア寮を褒めはじめた。
「リゾート開発をすれば、大量の集客が見込めそうな素敵なロケーションです」
「おう?よくわかんねーけど、褒めてくれてサンキューな!」
商売の話も欠かさず話したアズールに、こころなしか寮のことを褒められて嬉しそうなカリム。
そして本題へと移った。
「今日はあなたの魔法の絨毯を捕まえたので、お届けにあがったんです」
「えぇっ?アイツまた勝手に逃げ出したのか?そいつは手間をかけたな」
本当はユウたちが逃げるために使ったのだが、アズールたちはそれを伝えず、カリムに話した。
魔法の絨毯が勝手に逃げ出した、という話を聞いてカリムは眉を下げて、申し訳なさそうな顔をする。
「いえいえ。ところで……今年スカラビアはホリデーを寮で過ごされるとか」
「ああ。もしかしてお前たちも?」
その言葉を待ってましたと言わんばかりに、アズールは満面の笑みに変わった。
「そうなんです!いやー、奇遇ですね。
そこで、これを機にオクタヴィネルとスカラビアで親睦を深める合宿を致しませんか?」
296人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ
作成日時:2022年4月10日 15時