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「Aさん。腕の怪我、大丈夫ですか?さっきお二人に下敷きにされていたでしょう」

「えっ、あ、大丈夫……だと、思います」

屈んだジェイドはAと目線を、合わせてそう言った。

(顔近いし、顔良……!顔面偏差値どんだけ高いの……。ぐう、かっこいい……)

ふにゃふにゃと緩みそうになる口を、何とかグッとこらえるA。

「包帯もだいぶ汚れているようですし、変えて差し上げましょうか」

「エッッ、そんな、悪いです!わ、私はだいじょ──」

「是非よろしくお願いします!」

「えっ、ユウくん!?」

大丈夫、その言葉を言おうとしたが、ユウの声で遮られた。

(何言ってるのユウくん!可愛いからって、なんでも許されるとでも思ってるのか!
ゆ、ゆる……、許すけど!このままじゃ私のライフがゼロになる……!尊さでゼロになっちゃう……!!)

「ユウさんも言ってることですし、そうしましょう」

「は、はい……」

力なくAはそう返事した。

救急箱を持ってきて、ジェイドは包帯を解く。

「おや、随分と腫れていますね。下敷きになっただけではこんなに腫れないと思うのですが……」

「うわ、ネオンちゃんの腕パンパンだ〜。まるで腹水病みたいだねぇ」

「え、」

「フロイド、失礼ですよ」

腹水病は、何らかの原因で消化器官を中心とした内臓に炎症が起こることでお腹に水が溜まる病気だ。

(ふくすいびょう……?って、なんだろう)

Aはあまり聞いたことないようだ。

「あ、ごめんねぇ。ネオンちゃん」

「いえ、気にしてないです」

「それより、Aさん。この腕を無理に動かしたりは?」

「し、してな──」

「嘘言ったら絞めるからね〜」

「……穴を抜ける時にちょっと……、動かしたかもしれないです……」

「穴?」

ジェイドが首を傾げ、Aがスカラビアを抜け出した時のことを話した。

「Aさん、なんで言わなかったんですか!」

「そ、そんなに痛くなかったから……、大丈夫かなーって……」

ユウに怒られ、びくりとAは肩を揺らした。

がっしりと肩を捕まれ、ぎゅっと優しく抱きしめられた。

「Aさんは、自分をもっと大切にしてください……!無茶、しないでください……」

ユウの声が震えるのがわかり、Aは少し反省した。

「うん、ごめんね。ユウくん」

(でも、私がこの子を守らなきゃいけない。だから、約束は出来ないかも)

Aは心の中でまた謝罪をした。

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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ  
作成日時:2022年4月10日 15時

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