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ジャミルに聞こえないように、ユウくんにコソッと耳打ちするグリム。

「おい、子分。他寮のトラブルに首を突っ込むのはやめとけよ!
オレ様、もう面倒ごとはこりごりなんだゾ」


「君は……
俺たちを助けてくれるよな?

ジャミルはユウくんをじっと見つめ、そう言った。

「……わかりました」

「えっ」

「ふな゙っ!?」

グリムが引き受けるなと言ったばかりなのに、ユウくんはあっさりとOKしてしまった。

「オマエ、なに安請け合いしてるんだゾ!?」

「ああ……!引き受けてくれるのか。嬉しいよ、ユウ。
そうと決まれば、ぜひ三人とも賓客(ひんかく)としてスカラビアに留まって欲しい」

ニコリと笑うジャミルは、手を叩いて寮生を呼び出した。

「お呼びでしょうか、副寮長」

「お前たち、客人を部屋へ案内しろ」

「「はっ!」」

私たちは三人の寮生たちに、空き屋に案内された。

「それでは、ゆっくりとお休みください」

バタンと扉を閉めた途端、グリムはユウくんに怒る。

「も〜〜〜っ!!やめとけって言ったのに!
ユウ、オメーはなんでそう厄介ごとに首を突っ込むんだゾ!
スカラビアの問題なんだ。自分たちの問題は自分でカタつけろってんだ」

ぷんすこ、と効果音がつきそうなほど怒るグリム。

その姿は怖いというよりも、可愛らしいの言葉があっていた。

というか、前回はグリムが助けてって言ったから、ユウくん助けたのにな……なんて思った。

「断ろうと思ってたんだけど……」

申し訳なさそうにするユウくん。

「ユウくんも、こういってる事だし……ね。断れなかったんだよ」

私がそう言うと、グリムは不服そうな顔でため息をついた。

「ったく。オメーはなんだかんだ流されやすいし、お人好しなところもあるからな〜。
たまに怖い時もあるけど……」

仕方ない、と言いたげな顔をしてグリムは言う。

ニコニコ笑っていると、『Aもお人好しだ!だいたいユウに甘すぎなんだゾ!』と指を刺された。

「とにかく、オレ様はもう面倒ごとに巻き込まれるのはまっぴらごめんなんだゾ。
今のうちにこっそり抜け出して、オンボロ寮に戻ろうゼ!」

私たちは扉を開けて、外に出ようとした。

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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ  
作成日時:2022年4月10日 15時

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