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ユウの目の前にいたのは、オクタヴィネル寮の寮生、ジェイド・リーチとフロイド・リーチだった。
困ったように眉を下げて、顎の辺りに手を当てるジェイドと『なぁんだ、つまんねーの』と残念そうな顔のフロイド。
「ほぇ……？オマエら、なんでここに？」
状況を理解していないのか、グリムは首を傾げた。
「なんでって……オレら、冬休みは流氷で家に帰らないって言ったじゃん。
それに、小エビちゃんとアザラシちゃん。ネオンちゃん潰れてるけどいいの？」
フロイドがそういうと、ユウはびっくりしながら飛び退く。
「Aさん！？乗っかってましたね！すみません！」
「だ、大丈夫……。ユウくんとグリムが無事でよかった……」
「A！オマエ怪我してんのに、大丈夫なわけねーだろ！」
「いや、本当に。多分、うん。……痛くないよ」
「絶対、ウソなんだゾ！！」
目を逸らすAに、グリムは嘘だと見抜いた。
「……ん？このそっくり兄弟がいるってことは……。
ここは、オクタヴィネル！？」
「はい。オクタヴィネル内のモストロ・ラウンジです」
ジェイドがにこやかに返事すると、グリムは満面の笑みに変わった。
「やった〜〜〜〜！オレ様たち、ついに牢獄からの脱出に成功したんだゾ！」
わーいと喜んでいるグリムに、魔法の絨毯も嬉しそうに飛び跳ねる。
「牢獄とは……？」
「つーかその四角いヒラメみたいなの、ナニ？」
首を傾げたジェイドと、魔法の絨毯を指をさすフロイド。
「カリムさんの所有の魔法の絨毯によく似ていますが……」
ジェイドがそう口にした時、バタバタと足音が鏡から聞こえてくる。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
