・ ページ25
グリムはニヤリと笑って、魔法の絨毯と向き合う。
「やい、絨毯。オマエをここから出してやる。だから、オレ様たちを寮の外まで連れていくんだゾ!」
魔法の絨毯は嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるように舞った。
そして、魔法の絨毯は乗れとでも言っているように、窓へと近づいた。
「よし、ユウ!A!絨毯の上に乗り込むんだゾ!
スカラビアにオサラバだ!」
びゅん、と絨毯が空を舞う。
三人はびくりと肩を揺らしながら、恐る恐る目を開ける。
雲ひとつ無い空、満天の星に綺麗な月。
冷たい風は心地よかった。
「ヒャッホーウ!!!やったーーーー!!脱出成功なんだゾ!
オレ様たちは自由なんだゾ〜〜〜〜〜!!」
大声を出すグリムに、絨毯も機嫌が良さそうだ。
大声に気づいたのか、寮生が空に指をさす。
「はっ!!あれを見ろ!あいつら寮長の魔法の絨毯に乗ってるぞ!」
「脱走したばかりか盗みまで。寮長にバレたら僕たちどんな目に遭うか……」
それを想像したのか、寮生たちはゾッと背筋が凍ってグリムたちを追いかけ始める。
「絶対に捕まえろ!待て〜〜〜この泥棒〜〜〜〜!!」
「へへーん!悔しかったらここまでおいでってんだゾ!」
あっかんべー、と上機嫌なグリム。
ユウが疑問に思ったことを口に出した。
「ところでこの絨毯、どうやって操縦するの?」
296人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・ω・`)ナイナイ
作成日時:2022年4月10日 15時