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そうしてるのはジャミル本人なのに、今のジャミルは本当に困っているように見える。
すごい演技力だ、役者になれるでは？と思ってしまった。
「こうなる前は寮生全員が寮長であるカリムを慕っていたが、最近のおかしな様子に戸惑うばかりで……。
さっきのように突然無茶を言い出すことも多くて……。このままじゃ寮生たちの不満が爆発するのは、時間の問題だ」
今まではフォローしてきたが、ジャミル一人の力じゃ限界が見えているらしい。
「うーん、ハーツラビュルのトレイといい、副寮長ってヤツは苦労するんだゾ」
「あっ！」
突然声を上げるジャミルに、私たち三人は肩が揺れる。
「そうか……君たちこそ、“ダイヤの原石”なんだ！」
「はぁ？なんだそれ？」
“何言ってんだお前”みたいな目で見るグリム。
それにちょっと共感してしまう私。
「君たちはハーツラビュルやサバナクロー……。
さらにはオクタヴィネルの問題までを解決に導いた優秀な生徒だと噂で聞いてる」
“優秀な生徒”と聞いて、ぴくりとグリムは反応を示す。
「へへ〜ん。そうだゾ。アイツらはみんなオレ様たちの活動に感謝すべきなんだゾ！」
「だから、頼む。どうか俺たちスカラビアの力にもなってくれないか」
「えぇっ？」
その言葉には予想外だったようで、グリムは少し困ったような声を出した。
「食堂でたまたま出会ったのも、運命の巡り合わせだ。
きっと君らはダイヤのように輝く解決策をもたらしてくれるに違いない！」
「そ、そんなに期待されて困るんだゾ」
期待されている目で見られ、初めてのことでグリムは少し困惑した。
「確かにオレ様は優秀だけど、それとこれとは話が別なんだゾ！」
コソッとグリムがユウくんに近づいた。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
