【ツイステ】お姉さんは監督生を護りたい3 (ページ12)

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窓から差し込む光に、目を閉じる。

「……もう朝、」

私がぼそりと呟く。

「朝までかかって、やっとオレ様の両腕が通るくらいの穴が掘れたんだゾ」

「脱獄は一晩にしてならず……！」

「一日にしてはだいぶ進んだ方だと思いたいね……」

上からグリム、ユウくん、私の順番。

結局一睡も出来ずに、見張りと穴掘りに専念してしまった。

グリムとユウくんには寝てて欲しかったけど、言っても聞かないんだろうな。

ガチャガチャと鍵を開けると音が聞こえて、スカラビア寮生が入ってきた。

「出ろ！お前たち！朝の特訓の時間だ。今日も東のオアシスまで行進する！」

グリムはまさに絶望という二文字が合う顔をさせて、ヤダヤダと駄々をこねる。

「ユウくん、無理せずにね！うう、私もついて行きたい……！」

「だ、ダメですよ！Aさんは怪我してるんですから！」

私がオアシスまでの行進に着いていくと言うと、ユウくんが必死に私を止めようとしてくる。

それはそうだ。

怪我してるし、オンボロ寮の寮生でもない。

何より私は体力がないのだ。

「でっ、でも──」

「Aさん！お願いです！僕たちが戻ってきたら、とても美味しい料理期待してますから！」

「そうなんだゾ！Aはオレ様たちを満足させる美味い飯を作るんだゾ！」

可愛らしいユウくんとグリムの頼みに、私は『一緒に行きたい』という言葉を飲み込んだ。

「わ、わかった……けど！無理はしないでね！絶対！」

「はい！」

「わかってるんだゾ！」