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「そこで、頭脳明晰なオレ様が完璧な脱走計画を考えたんだゾ」
「して、その計画とは」
自分で頭脳明晰って言っているあたりがもう可愛い。
ユウくんも結構乗り気だ、可愛いなあ。
……私疲れてるのかもしれない。
可愛い可愛いとそれしか言えない自分に、IQが下がっている気がしてきた。
「聞いて驚け。オレ様は脱出に必要なアイテムを昼間入手した。
見ろ、これを！」
取り出したのは、銀色のスプーン。
グリム曰く、カリムがアイスの食べ方を言っていた時に閃いたんだと言う。
「このスプーンで、少しずつ床を掘って外に出るんだゾ！」
「頭脳を全く必要としない地道な作業……！」
ユウくんの言った通り、穴を掘るという頭を使わない地道な作業。
私だったらすぐ飽きそう。
「地元じゃ穴掘りの名人と呼ばれたグリム様に任せておくんだゾ。ユウは俺の手伝いをして、Aは見張りが来ないか外見張っておくんだゾ」
ふふんとドヤ顔をするグリムに少し癒されながらも、外を見張ることにした。
「うん、わかった。二人とも頑張ってね」
「ふふん、任せるんだゾ」
「はい、頑張ります」
ゴリゴリと床を削るグリムとユウくん。
「思ったよりスムーズに削れる！結構イケそうな気がしてきたんだゾ」
ゴリゴリとしばらく削っていると、グリムが声を上げた。
「掘ってるだけの単純作業で飽きてきたんだゾ〜……。
A、ちょっと代われ。オレ様が外を見張ってるんだゾ」
「うん。任せて」
とは言ったものの、私は秒で飽きそうだ。
いや、これもグリムとユウのためだ。
そう思ったら、頑張れるような気がした。
床は自分が思ったよりも、削れていた。
「やべっ！見張りが来た！寝てるフリするんだゾ！」
その作業を交代でやっていたら、いつの間にか朝がやってきた。
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作者名：金平糖
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作成日時：2022年4月10日 15時
