第8話(お出かけ編) ページ9
お化け屋敷のすぐ側にベンチがあったので、そこに座ってレトさんを待つ。
お化け屋敷の出口に、見慣れた姿が見えた。
優花とフジの姿だ。
優花が私に気づくと、手を振るので私も手を振り返した。
「優花もここに入ってたんだ」
「Aも？」
「うん」
フジが辺りを見渡して、『レトさんの姿が見えないね』と言う。
「あぁ、ジュース買いに行ったんです。レトさん結構叫んでましたから」
優花は思い出したように『そう言えば、叫んで人がいたね』と、言った。
「それ多分レトさんだね」
ふふふ、と笑っているとレトさんが戻ってきた。
「あれ、フジくんに優花ちゃんやん、どうしたん？」
レトさんが飲み物を持ちながら首を傾げる。
「レトさん、二人ともお化け屋敷に入ってたんです」
つかさず、私がそう言うとレトさんがにっこり笑って『そうなんやぁ〜』と言った。
「あっ、そうや。優花ちゃん達は次は何乗るん？」
レトさんは二人に聞くが、決まってなかったようだった。
「考えてないんや。なら一緒に乗らへん？」
飲み物をレトさんは一口飲んで、私の手を引いた。
「さ、行くで！」
「はい！」
そして、バイキングに乗った。
「なんか、ドキドキするなぁ」
「ふふ、その気持ちわかります」
レトさんは、子供のようにワクワクとしていた。
その仕草や動作が可愛い。
『＿＿安全レバーをゆっくりとおろしてください』
アナウンスの声に従って、目の前の安全レバーをゆっくりおろす。
レトさんは二人の行動を見ていたようで、にやりと笑みを浮かべる。
「お二人さん、イチャイチャしやんと、もうすぐ始まるで？」
隣を見ると、フジと優花は顔真っ赤にしていた。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･∀･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2020年9月17日 14時
