第29話(花火大会編) ページ30
レトルトside
当日、花火大会。
Aちゃんとの、初デートだ。
他にもAちゃんの友達とか、キヨくんとかフジくんとかいるけど……。
周りの人を見ると、カップルが多い。
「Aちゃん、なんか食べたいものとかない？」
隣にいたAちゃんにそう聞くと、お腹がすいたのことだ。
「たこ焼きとか焼きそばとかにします？」
「おっ、ええなぁ！キヨくんたちもそれでええかーって、あれ？」
後ろにいたキヨくん達に言うように、振り返ると姿が見えない。
「……どうしました？」
こてん、と可愛らしく首を傾げるAちゃんにキヨくん達がいないと説明した。
「えっ、はぐれたってことですかね」
「そうやろうな」
キヨくん達とはぐれた、ということはここにはAちゃんしか居ないわけだ。
“二人きり”という言葉が頭に残る。
嬉しくなって俺は頬が緩み、思ったことを口走っていた。
「好きなAちゃんと二人きりのデートや」
「っ〜！か、からかうのはやめてくださいっ……！」
「別にからかってへんのに。照れとるん？可愛ええなぁ」
頬を赤らめて、俯くAちゃんがとても可愛らしく思えて、ちょっと意地悪したくなってしまう。
Aちゃんの顔を見ようとするとふいっと逸らされる。
「か、顔見ないで……ください……」
「ふふ、可愛い」
「……ばか」
顔真っ赤にして、小学生のような悪口を言うが全然痛くなくて、むしろ微笑ましい。
「そんな可愛らしい悪口言われても、なーんも痛ないで？それじゃ、たこ焼きでも買いに行こか」
たこ焼きを買って、Aちゃんは少し嬉しそうな顔をする。
Aちゃんを見つめると、俺の視線に気づいたようだ。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･∀･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2020年9月17日 14時
