第28話(花火大会編) ページ29
紅葉がそう提案したが、こーすけは首を横に振る。
「いや、入れ違いがあるから、行かない方がいいと思うけどなぁ……」
「じゃあ、こーすけさん達ここにいてください。私と紅葉で探してきます。見つかったら連絡します」
私がそう言うと、ヒラが心配そうな顔で『大丈夫？』と聞かれた。
「大丈夫です。迷子になったら連絡するので」
私は笑顔でそう答えた。
「迷子になる前提なんだ……」
「紅葉ちゃんとAちゃん！変な人に着いてったらあかんでな！」
「そうだぞ！『飴あげる』とか言われてもついて行くなよ」
過保護か、または保護者のような言葉を放つレトさんと、キヨ。
「レトさん、私そんな子供じゃないですけど」
「私たちのこと、小学生くらいの子供としてみてません！？」
キヨは、冗談だと笑っていたが、レトさんは本当に心配しているようだ。
『大丈夫ですよ。探すだけなので』と、安心させるように笑うと『気ぃつけてな』と手をぎゅっと握られた。
そして、私と紅葉で、優花とフジを探しに行くことにした。
そして、数分後。
優花とフジらしき人が見つかった。
二人とも頬を染めて、手を繋いでいい雰囲気だ。
「あっ、いたーーー！！」
「本当だ！」
紅葉が優花に、勢いよく抱きついた。
優花は何とか倒れずに、背中に手を回した。
「どこいってたの……。心配したんだよ……」
「ごめんごめん……。フジと一緒にいたから、大丈夫だよ。それより人多かったけど、大丈夫？」
紅葉は普通の人より、人に酔いやすい。
それを心配して、優花が聞いた。
「うん、キヨさんが一緒にいてくれたから……。これで人混みはもう大丈夫！」
ふふんっ、と自慢げに笑う紅葉の頭に軽くチョップした。
「キヨさんで気を紛らわせただけでしょ」
「痛いよ紅葉ちゃん……」
『あうちっ』と、どこぞのイタい次男のようなリアクションをした紅葉を軽くスルーした。
それより、フジの顔が赤いままだがなんかあったのだろうか。
きっと、優花となにか進展があったのだろう。
うんうん、幸せそうで何よりだ。
「Aは大丈夫だったの？」
優花は苦笑いをしながら、私に大丈夫かと聞いた。
「まぁ優花程酔うわけじゃないし、大丈夫だよ。さて、レトさんたちのとこ戻るよ」
「そうだね」
「それより気になったんだけど……、どうしてフジさん顔赤いの？」
紅葉がそう聞くと、優花は『色々あってね……』と、頬を染めながら言った。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･∀･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2020年9月17日 14時
