第27話(花火大会編) ページ28
花火は終わったのか空は暗く、周りは静かだった。
「……そろそろ、戻ろか」
「そう、ですね……」
来た道を戻ると、紅葉とキヨが見えた。
「おーい、そこのお二人さーん。花火終わったでー……って、あ」
二人を見ると、なんと抱き合っていた。
「あ」
「れっ、レトさん！？！？」
やってしまった、と言わんばかりの苦笑いをしているレトさん。
いつの間に抱き合う仲に……と、私はニヤニヤと笑ってしまう。
「なんやぁ、お邪魔やったかな？」
「おじゃ！？いえ別に邪魔じゃないです！」
紅葉は驚いて、勢いよく首を横に振った。
それはもう、首がもげそうな程に。
キヨが深くため息をついてから『紅葉焦りすぎ』と、柔らかく笑った。
「そ、そうですよね！すみません！」
「謝らなくていいよ」
そう言いながら、キヨは紅葉の頭を撫でた。
うん、親密な関係になって何より。
「それより、花火終わったんやし、みんなと合流しやへん？」
「おーそうだな」
レトさん、キヨ、紅葉と私であとの四人を探すことになった。
「Aちゃん。離れんように、手ぇ繋いどこうや」
「は、はい……！」
ぎゅっと普通に手を繋ぐと、その手は離れて恋人繋ぎに直された。
「……この方が、離れへんやろ？」
してやったり、といたずらっ子のように笑うレトさん。
私の体温が少し上がったような気がした。
「お、こーすけ！ヒラ！こんなとこにいたのかよ」
こーすけとヒラを見つけたようで、キヨは手を振っていた。
「あとは、フジと優花ちゃんだな」
「ですね」
こーすけが言うと、私も相槌を打つようにこくんと頷き、返事をした。
「探してきた方が早くないですか？」
紅葉がそう提案した。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･∀･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2020年9月17日 14時
