第2話(出会い編) ページ3
フジとキヨに手を振ってから、ホテルに戻る。
優花と紅葉は力が抜けたように、ベッドへダイブする。
私はお風呂に行くため、着替えなどを用意していた。
二人は頬が緩んでいて、夢じゃないかと確認している。
「じゃあ、ほっぺた引っ張ってあげようか？」
私は優花の確認もせずに、頬を引っ張る。
「いだだだだっ！！いったい！」
「ほら、夢じゃないよ」
ぱっと手を離して笑う私を不思議に思ったのか、紅葉は首を傾げていた。
「……Aちゃんは嬉しくないの？」
「んー？何が？」
「実況者さんに会えたこと」
本当はとても嬉しい。
今すぐにでも叫びたいくらいだった。
でも、私が本当に会いたい人は違うから……。
「でも、本当に喜ぶのはレトさんに会ってからがいいな」
にこりと微笑みながら言う私に、紅葉は私の手をとって『大丈夫！』と胸を張る。
「キヨさんに頼めば会えるよ！！」
「待って！今からL○NEするから！！」
そう言って紅葉はスマホと向き合うが、微動だにせず。
理由を聞くと、緊張して送れないらしい。
「はぁああ？？？」
盛大な『は？』を漏らすと、紅葉は『うっ』と息詰まるように私から目を逸らした。
「恥ずかしすぎて、送れない？なんでよ」
「えっ、ない？気になってる人とL○NEとかする時、恥ずかしすぎて、結局送れないことって……」
気になっている人とL○NEねぇ……。
初恋は小学生の頃だけど、普通に仲良かったし……。
「まずそんな出会いないわ。さっさとL○NEして、レトさんに会わせろ」
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･∀･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2020年9月17日 14時
