【ナカノヒトゲノム 】一目惚れ、しちゃいました。【鬼ヶ崎カイコク】2

56.HOT LIMIT ページ8

「ったく、なにが女子風呂だよ。んなもん、興味ねーし。なあ？」

と、アンヤがそう言った。

「……」

少しの沈黙が続いた間、口を開いたのはアカツキだ。

「すいません、俺ちょっとあります」

「俺もー」

アカツキとカイコクは小さめに手を挙げながら、興味あると言った。

「…………」

ザクロは顔を背けて、顔を赤くさせている。

「つかテメーはいい加減マスク取れや。暑っ苦しい」

バシャッと湯をかける、アンヤにザクロは手で防ぐ。

「ガキが、やめろ」

「あ！？タオルもろもろ湯船につけるのは、マナー違反だろうが！」

「湯船にはつけていない！」

バシャアアァ、と湯のかけ合いになるアンヤとザクロ。

「おーい、風呂で遊ぶのやめねェか」

「遊んでねーよ！」

その時、

「怖がりだにゃ〜、カリリンは。ね、サキサキ」

「そうですよ。いませんって、人なんて。ここ女湯ですよ？」

カラカラと入ってきたのは、A、カリン、ユズだ。

男子全員は！？と思考回路が停止したが、バレてはいけないと思い、岩の後ろにそそくさと隠れた。

「ほら、誰もいないだろ。このタワーにはボクらしかいないんだから」

「で……、でもさっき確かに声が……」

そこで、ユズは何かに気づいたようで、

「……あ〜、また幽霊かもしれないにゃ〜」

とカリンを触るユズ。

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